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北方四島周辺のウニなどの漁獲枠が奪われる サハリンの漁業者ら危機感 ロシア議会でオークション制導入法案検討

ウニやホタテにオークション制が導入されれば、漁獲枠を喪失するサハリンとクリル諸島は大惨事に見舞われる。数千人の雇用と納税額数十億ルーブルが失われるだろう--サハリン水産企業協会のコズロフ会長はオークション導入の脅威について語った。サハリンの海域では現在、約2万5,000トンのウニやナマコ、ホタテ、ツブ類が漁獲されているが、漁獲枠をオークションで販売する法案が検討されている。漁獲量は少ないが利益率の高い、これらの水産資源は主に南クリル諸島(北方四島)海域でサハリンの漁業会社によって漁獲されている。オークション導入によって、この漁獲枠が失われると漁業者が仕事と収入を失うだけでなく、関係するすべての人々に大きな影響がでる。サハリン州水産局のラドチェンコ局長もオークション導入に反対を唱える。「この漁業を行っているのは地元住民である南クリルの会社だ。オークションが導入されれば、これらの企業は存在できない」--。オークション制は資源の漁獲枠とともに漁船や水産加工場の整備を抱き合わせて販売する方式。すでにカニの漁獲量全体の50%で導入されている。また、スケトウダラやニシンの20%が漁船の建造を条件にオークション方式に移行された。落札企業は76隻の漁船を建造する義務を負ったが、実際に建造されたのは6隻だけだった。ほとんどのロシア漁船は90%が外国製の機器や部品で出来ている。制裁下にある経済状況では外国の機器、部品がロシアに供給されなくなることも考えられる中で、艦隊を建造することは事実上不可能だ。(astv.ru 2022/4/27)