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国後島・古釜布 夫を亡くした未亡人が訴え 「島では夫に適した棺が手に入らない。人間らしく葬ってやりたい…」

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北方四島の話題

 サハリン・クリル通信2019/7/5

5月に夫を亡くした国後島ユジノクリリスク(古釜布)在住の女性がサハリン・クリル通信編集局に「クナシリでは埋葬するための棺が不足している」と訴えた。未亡人によると、彼女の夫は人生の40年間をクリルに捧げた。「なのに、夫に適したサイズの棺を見つける困難に直面している」と語った。ユジノクリリスクには葬儀屋が2軒ある。そのうち1軒は棺を売っておらず、十字架しか置いてなかった。花輪もなかった。もう1つの葬儀屋には3つの棺があったが、どれもサイズが合わなかった。仕方なく、小さい棺を買い、遺体を窮屈に押し込むしかなかった。彼女は、行政にこの問題に注意を向けてほしいと語った。他の住民も同じ状況に直面すると考えたからだ。愛する人を失い、残された家族は悲しみにくれる。その上、人間らしく埋葬してやることが出来ないなんて…。記者は南クリル行政府のラドチェンコ副市長にコメントを求めた。副市長は事実関係を確認した上で回答した。「葬儀サービスは深刻な懸念を引き起こす状況ではなかった。少なくとも1軒の葬儀屋は、埋葬に必要なすべてが十分な量で存在する」と報告した。副市長によると、棺は安価なもので7,000ルーブルから、少し値のはるもので50,000ルーブルからある。この件で、行政府に直接苦情は寄せられていない。

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※写真は国後島自由訪問(2019.6.21-24)で訪れた古釜布にある墓地。日本人墓地とロシア人墓地がフェンスで囲われ同居している。もともと日本人墓地は別の場所にあったが、ソ連占領後、この場所に移されたという。ロシア人の墓は手入れの行き届いたものもあるが、多くは墓を守る縁者が島を離れたためだろうか、荒れたまま放置されている。

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