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占守島の無名の岬にグリュエフ司令官の名前を命名 彼が乗っていた上陸用舟艇は米ソ極秘作戦「プロジェクト・フラ」によって米海軍から貸与されたものだった

❐北クリルの話題

 サハリン・クリル通信2019/5/1

ロシアのメドヴェージェフ首相はクリル諸島のシュムシュ島(占守島)にある無名の岬を、1945年8月の占守島の戦いで上陸用舟艇DC-9の司令官として参加し、戦死したヴァシリー・グリュエフ上級中尉の功績を称え、「グリュエフ岬」と命名する法令に署名した。岬の座標は北緯50.50.8度東経156.29.5度。グリュエフ上級中尉は当時25歳でクリル上陸作戦に参加した。

占守島の戦いに参加したソ連北太平洋艦隊の上陸用舟艇DC-9は1944年にアメリカで建造され、米海軍のLCI-554としてノルマンディー上陸作戦に動員された後、1945年7月に日本との戦争における米ソの極秘軍事協力作戦「プロジェクト・フラ」に基づいてソ連に貸与された。ソ連軍が占守島を攻撃した8月18日に日本軍の砲撃を受けて竹田浜近くで被弾、炎上。乗員のほとんどが死亡したという。

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1945年8月18日 グリュエフ司令官が乗船していた上陸用舟艇DC-9(米海軍LCI-554)は占守島竹田浜で被弾、炎上した。船体の番号は米海軍時代と同じままだ。

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1944年6月 ノルマンディー上陸作戦に参加した米海軍時代のLCI-554

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