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択捉島 高級ホテルへのアクセス道路建設 地区病院建て替え用資金を転用

ロシアのトルトネフ副首相(極東連邦管区大統領特別代表)は、極東地域のインフラ整備に充てられる追加資金としてサハリン州など4州に4億7,300万ルーブルが割り当てられたと自身のテレグラムチャンネルで発表した。この中には、択捉島で問題になっている高級ホテルにつながる4kmの道路整備資金が含まれている。問題の道路は択捉島キトヴイ(内岡)からギドロストロイ社が所有する宿泊料金1泊5万ルーブル超の高級ホテル「ヤンキト」までの4.1km区間。ホテルは9室しかなく、最大でも宿泊客は26人を超えない。事業費は18億ルーブルで、1kmあたりの費用は4億4,660万ルーブル。この事業についてサハリン州議会のミハイル・チェレヴィク議員がテレグラムチャンネルで問題点を指摘している。「サハリン州政府幹部の説明によると、連邦予算で賄う18億ルーブルは当初、択捉島の地区中央病院の建設に向けられていたが、何らかの問題が発生し、連邦政府は資金の使い道を択捉島のホテルに通じる道路整備に切り替えた。しかし、連邦予算が手元に届くまで、サハリン州の予算で道路整備が始まることになり、プロジェクト文書によれば、現在サハリン州予算ではこの道路のために5億1,400万ルーブルを割り当てている」--。地区中央病院を建て替えれば、住民は数年以内に最新の医療施設で治療が受けられるかもしれない。それが部屋数9室のホテルへのアクセス道路に変わった。クリル地区行政府によると、島内には74.5kmの道路があり、そのうちアスファルトで舗装されているのは 3 分の 1 の 24.2 km。すべての集落がアスファルト道路でつながっているわけではない。島内の主要な町クリリスク(紗那)とゴリャチエ・クリュチ(瀬石温泉)を結ぶ道路はまだ未整備のままだ。(citysakh.ru 2023/12/4)