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北方四島含むクリル開発、大幅減額 サハリン州は今後3年で55億ルーブル、連邦政府4.4億ルーブル止まり

リル諸島(北方四島を含む千島列島)の社会経済開発(※クリル諸島社会経済発展プログラムのことと思われる)のために、サハリン州政府は今後3年間で55億ルーブルを割り当てる--サハリン州政府のコレバティブ建設大臣が州議会で明らかにした。建設省所管の10施設、運輸省所管の4施設の建設に充てられる。2023年には択捉島リリスク(紗那)の幼稚園と中等学校(児童生徒の合計400人)の複合施設、国後島ゴロブニノ(泊)の幼稚園と中等学校(児童生徒合計60人)、北クリル・パラムシル島のセベロクリリスクの集合住宅2棟、色丹島クラボザボツコエ(穴澗)の幼稚園の建設に割り当てられる。一方、連邦政府が支出する予算は3年間でわずかに4億3,600万ルーブル。このうち2023年は1億8,600万ルーブルがセベロクリリスクの地区中央病院の建設完了と、国後島ユジノクリリスク(古釜布)の地区中央病院建て替え工事の着工に向けられる。(サハリン・インフォ2022/11/17)

クリル諸島社会経済発展プログラム(2016-2025)の前期5年間で477億ルーブルが支出された。2021年は46億ルーブルだった。今回、サハリン州が明らかにした支出額は3年で55億ルーブルにとどまり、北方四島開発に急ブレーキがかかった形だ。

クリル諸島社会経済発展プログラムの見直しで、択捉島リリスク(紗那)とブレベスニク(天寧)空港間(27.9km)を結ぶ高速道路再建事業は43億8,300万ルーブルから19億4,200万ルーブルに減額された