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「元島民の思い」若い世代へ 出身地ごとにインタビュー動画 道HPで1日公開 若手職員がアイデア、取材

 【根室】道が1日からホームページ(HP)で公開する、北方領土元島民のインタビュー動画を集めた「北方領土の元島民の思いマップ」は、若手職員が中心となってアイデアを出した。デジタル地図のグーグルマップから元島民の情報をたどれる仕組みで、若い世代に北方領土問題の理解や関心を深めてもらうのが狙いだ。(北海道新聞根室版2023/11/1)

 マップは道北方領土対策根室地域本部のHPで公開する。インタビューした元島民の出身地ごとにアイコンをデジタル地図のグーグルマップに示す。アイコンをクリックすると元島民の情報や動画を見ることができる。マップには北方領土の風景や北方領土啓発施設、北方領土ゆかりの建築物などの「北方領土遺産」の所在地なども掲載する。

 マップは、若者目線で領土問題を発信しようと同本部の20代の職員たちが発案した。交流サイト(SNS)では短い動画が関心を集めているため、動画は元島民1人につき5分程度とし、わかりやすくするために字幕を付けた。撮影やインタビュー、編集なども若手職員が分担した。

 まずは5人分の動画を掲載。根室管内の元島民の講話のほか、職員が新たに聞き取ったインタビューも収録した。悲惨な引き揚げの体験や島での思い出について記録した貴重な内容。マップには、若手職員による動画の解説も載せた。今後は元島民の動画を追加していく考えだ。

 元島民の動画の編集を担当した照井大登さん(24)は「貴重な話を5分程度にまとめるのに苦労した」と話す。インタビューなどを担当した佐々木翔也さん(24)は「次世代に元島民の体験を引き継いでいきたい」と語った。(先川ひとみ)