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国後島と色丹島の通信断絶 市長「海底ケーブルの修理には長い時間がかかる」

国後島色丹島で10月7日に発生した海底ケーブルの損傷事故について、両島を管轄する南クリル地区のゴミレフスキー市長が現時点での状況について語った。(astv.ru 2023/10/12)

一体、何が起きたのか?

10月7日16時33分、国後島色丹島ですべての通信が喪失した。国後島択捉島間の海底に敷設された全長260kmのケーブルが損傷したためだ。「光ファイバーは4本あり、現時点でそのうち2本は完全に断線しており、1本は部分的に損傷、そして1本は生きている。生き残った、この 1本によって暫定的に接続が回復した」と市長は語った。損傷地点は国後島の海岸線から5kmの地点だった。現在機能している通信は気象条件に大きく左右される。「本日午前5時40分、暫定的な復旧作業は完了したが、ケーブルは海底に沿って敷設されているため、嵐の影響を受ける。再び通信が断絶する可能性がある」とゴミレフスキー市長は説明した。

プロバイダーは通信を回復するために何をしているのか?

昨夜、ロステレコムは100 メガビットと 150 メガビットの衛星チャンネルを確保し、10 月 25 日までに、トラフィック送信用として200メガビットのチャネルを用意する予定だ。 携帯電話事業者は、衛星を使用した音声通信を復旧することを計画している。Tele2 は現在稼働中であり、Beeline は明日13日、Megafonは10 月 16 日、MTSは 10 月 25 日頃に利用できるようになる。「100 メガビットの帯域は主に、地区中央病院、中等学校、銀行、財務省などの社会的に重要な施設が使用する。当然のことながら、十分とは言えないが、重要な施設に対するサービスは提供される」と市長は述べた。

銀行は何をするのか?

エトロフ銀行はすでに衛星放送受信アンテナを備えており、現在設置中。近い将来、国後島色丹島でカードが使える2つの端末が稼働する予定。「しかし、ズベルバンクとの合意は得られていない」と市長は述べた。海底ケーブルを修理する船が到着するまで、私たちはサービスを受ける機会が限られた中で生きていかなければならない。島の企業「南クリル・ドッケル」は必要な設備を設置し、現在はカードを使って商品を購入できるようになっている」と付け加えた。

なぜクリル諸島には専用のケーブル船が来ないのか?

「残念ながら、同様の緊急事態がロシアのある地域(チュクチ州)でも発生した。極東で唯一の専用ケーブル船はチュクチの海底ケーブルを修理した後、南クリル諸島に来る予定だ。 しかし、これには長い時間がかかる」と語った。