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国後島の観光ルート「東沸湖」 歴史学者がフィールド調査 ガイドブックやパネル制作

国後島の観光ルート整備のため、サハリンの著名な歴史家が9月15日から9月22日まで、アイヌの遺跡やソ連時代の戦車が残るペスチノエ湖(東沸湖)付近でフィールド活動を行った。調査の結果に基づき、ガイド用テキストや説明パネルが制作される。調査を行ったのは、サハリンのポベダ博物館・記念複合施設のイーゴリ・サマリン氏とサハリン州郷土博物館のオルガ・シュビナ氏の2人。2021年に設定された生態学的・観光ルート「ペシャノエ湖」は、ロバノフ川の河口(クリル自然保護区の領土の境界)からクリル諸島最大の淡水貯水池ペスチノエ湖まで、オホーツク海の海岸に沿って走っている。このルートは、植物学、鳥類学、動物学的な要素に加えて、歴史的にも興味深い場所だ。湖のほとりにあるセルノヴォツキー地峡には、新石器時代(紀元前 6000 ~ 1000)と鉄器時代(1000)に古代人が住んでいた。オホーツク文化(7〜10世紀)やアイヌの人々も同じ場所に定住した。19 世紀から 20 世紀初頭にかけては日本の村(いくつかの工芸品が保存されている)があり、20世紀半ば以降にはソ連の村もできた。1970 年代後半から 80 年代前半にかけて、ダニロヴォ村には防御要塞が設置され10 両の IS-3 戦車などが配備されていた。1984年、戦車は軍事史の記念碑として丘に残された。このルートを訪れる観光客は近くの砂浜に船で上陸し、「戦車の丘」、神聖なアイヌの遺跡に行き、砂丘に沿って歩き、湖で泳ぐことができる。クルーズ観光客にとって興味深いものになるはずだ。(citysakh.ru 2023/9/24)