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択捉島 交流事業再開望む声も「互いに関係を維持すべき」「政治状況は変わったが人々は変わらない」

 ロシアはウクライナへの軍事侵攻をめぐり制裁を科す日本に反発し、北方領土の元島民らによる「ビザなし交流」と、元島民らが故郷の集落などを訪問する「自由訪問」について、日本との間の合意を破棄したと去年9月、一方的に発表しました。北方四島との交流事業は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、3年前から中断されたままで、さらにロシア側による一方的な停止の発表で再開の見通しは立っていません。これまで、日本人の元島民などと交流を重ねてきたロシア人の島民からは、日本による制裁に反発する声があった一方で、交流事業の再開などを望む声も聞かれました。(NHK NEWSWEB 2023/2/7)

 このうち、第1回目の「ビザなし交流」からおよそ30年にわたって交流に携わってきた、択捉島に住むナタリア・エフトゥシェンコさんは、中断している現状について「日本側が踏み込んだ制裁を発表したから、ロシア側もすぐに対応した」と主張しました。

 ただ、今後の交流については「互いに良い関係を維持すべきで、双方とも制裁など必要ない」と話し、ウクライナへの軍事侵攻が交流事業に影響することには反対だと話しました。

  また、択捉島の地元紙「赤い灯台」の編集長オリガ・キセリョワさんは、交流事業は互いを知る重要な役割を果たしてきたと指摘した上で「日本の友人たちに会えず、さみしい。『ビザなし交流』は友好的で強い結びつきであった。政治状況はかわったが、人々はかわらない」と話し、島民の中にも交流事業の再開を望む声もあると明かしました。