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1945年の機密文書が指定解除 サハリン郷土博物館に引き渡し 朝鮮人殺害事件の資料も

1945年8月に南サハリン(当時の樺太)で起きた日本人による朝鮮人殺害事件に関する機密文書が指定解除され、サハリン郷土博物館に引き渡された。8月15日は当時の朝鮮人が日本の軍国主義から解放されて77周年。今回指定解除されたのは1945 年 8 月 21 ~ 22 日にかけて起きた瑞穂村(現在のポジャルスコエ)での虐殺事件と上敷香村(現在のレオニドヴォ※8月17日~18日に発生したとされる)での事件に関する資料。ロシアの法律に基づいて、これらの文書へのアクセスを制限するための期間 (75 年) が満了した。最も重要な文書は、上敷香村での悲劇的な出来事に関するものだ。さまざまな容疑で逮捕された朝鮮人憲兵隊の建物内で殺害された。資料の中には、犯罪の目撃者であるイ・ドゥボクの証言があり、朝鮮人18人が殺害されたとしている。瑞穂村事件の資料とは別のものであり、それらは実際に起こった出来事について、直接的な説明を提供する本物の歴史的な一次情報である。この事件に関しては、ウラジミール・グリンの小説「生涯の別離」が知られているが、フィクション、架空の人物が散りばめられており、そこに記載されている出来事の科学的研究を行うことは不可能だった。上敷香村の虐殺事件に加えて、1945 年 8 月にさまざまな犯罪を犯した日本人に対する 3 つの刑事事件(放火、殺人、破壊工作)の資料も引き渡された。これらの資料は、南サハリンとクリル諸島(北方四島を含む千島列島)の解放の歴史におけるさまざまな出来事に光を当てるだろう。(サハリン・インフォ2022/8/15)