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国後島オホーツク海側 オジロワシの珍しい狩りを激写 水鳥のように水面に留まり、カモを「溺死」させた

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国後島オホーツク海側にあるクリル自然保護区で12月13日、鳥類の調査をしていた自然保護区スタッフがオジロワシの珍しい狩りの瞬間を撮影した。スタッフはシノリガモの群れと、上空を舞う2羽のオジロワシ(ロシアのレッドデータブックに登録されている)を確認した。オジロは群れの中の1羽のシノリガモに狙いを定めた。カモ類は水中の植物や甲殻類をエサにしており、それらを追いかけた水中に潜る。カモが水中から水面に現れると、それを待っていたオジロが攻撃を仕掛けた。上空から何度も襲い掛かり、シカモが水中に潜るように仕向けた。カモが疲れ果てたのを見てとると、オジロはすぐには獲物を捕獲せず、水中に沈めようとした。カモが息を出来ないように、水面に上がることを許さなかった。オジロはまるで水鳥にでもなったかのようだった。水面に留まり、何度も嘴で水中に沈めた。カモが抵抗しなくなった時、オジロは満を持して「夕食」を空中に持ち上げ、飛び去った。オジロのエサは通常は魚がメインだ。足の強い力で水面から魚を、文字通り鷲掴みして捕獲する。今回、数分間かけてカモを「溺死」させたことは興味深い。標的にされたカモは、弱っていたか、ケガをしていた可能性があり、オジロの目はこれを見逃さなかった。国後島ではオジロは一年中見られる。冬になると、南に移動してくる渡り鳥が飛来するため、オジロの数ははるかに多くなる。南クリル諸島(北方四島)で越冬するオジロの最後の大規模調査は1998年から1999年に実施された。その後、択後島、国後島色丹島では、最大390頭のオジロワシが越冬した。クリル自然保護区でのオジロの珍しい狩猟は、エレナ・リンニック、セルゲイ・ステファノフ、アレクサンドル・ヤコブレフによって観察された。(kurilsky.ru 2021/12/16)

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国後島の山並みを背に飛ぶ2羽のオジロワシ。左側にルルイ火山が見える。(エレナ・リンニック撮影)

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狩りの始まり(エレナ・リンニック撮影)

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2羽のチームワークと周到な攻撃が好結果をもたらした(エレナ・リンニック

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オジロの近くにカモの群れが見えるが、捕食者はもはや他のカモに目もくれなかった(エレナ・リンニック)

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カモが弱るのを辛抱強く待っていたオジロは、冷水に冷たい水面にとどまった(アレクサンドル・ヤコブレフ)

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カモは簡単にあきらめなかったので、オジロは食べ物を手に入れるために、一生懸命努力しなければならなかった(エレナ・リンニック)

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この戦いでのカモの行動は視界から隠されている。カモは水面に出ようともがいていたのか、それともオジロはカモが深く潜れないようにしていたのか?(エレナ・リンニック)

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オジロワシもダイビングすることがある(アレクサンドル・ヤコブレフ)

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狩りの終わり...(アレクサンドル・ヤコブレフ)

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オジロは獲物を運び去った(アレクサンドル・ヤコブレフ)

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リコルド川河口近くのオジロワシアーカイブ写真、2020年アレクサンドル・ヤコブレフ)