sakhalin.kp.ru 2021/8/23
8月21日、日本のメディアはこのニュースにショックを受けた。未知の手段で国境を越えたロシア連邦の市民が、日出ずる国(日本)で亡命を求めた。このために、彼はロシア連邦刑法第322条に基づく刑事事件に直面しているとだけ言っておこう。KP-サハリンは信じられない冒険の詳細を見つけた。ウラルの40歳のロシア市民はフィンとダイビングスーツで泳いで、国後島と北海道の間の24キロメートルの海峡を横断したことが判明した。逃亡者の友人は「日本女性やアニメへの憧れのために、泳いで渡った」と語った。
物議を醸している主人公は、ヴァーサ・フェニックス・ノカードと判明した。親しい友人はロシア人の名前はウラジミールであると言った。夢想家でロマンチックな彼は、人生のほとんどをイジェフスクで過ごした。彼はいつも、遠くにある美しい日出ずる国—日本での生活を夢見ていた。
その男は2011年に、夢を実現するための最初の試みに出た。お金を貯めた後、彼は日本に旅立った。しかし、ビザなしで滞在可能な最大期間（3か月）が過ぎた後、彼は拘留され、ロシアに強制送還された。
ロマンチストはあきらめなかった。しばらくして、彼はタイでパスポートを偽造した疑いで拘留された。そして、その少し後、今度はバリに行こうとし、IT企業の1つに就職したが、それは実現できなかった。
そして2017年、憧れの日本にできるだけ近づくことを決意し、「極東ヘクタール」を利用して国後島に土地を取得した。ポケットに7,500ルーブルを入れたノカードは、国後島へと出発した。
「イジェフスクから国後島に来たとき、私はヴァーサに会い、日本語を教えた。私たちの日本語学習コースは、ビザなし交流の枠組みの中で開催されていた。彼は私を『先生』と呼んでいた。非常にまじめだった。ヴァーサは日本とその文化に憧れ、アニメを見て、日本女性と仲良くなることを夢想していた」--逃亡者の友人は、こうコムソモリスカヤプラウダに語った。
日本への熱狂的な憧れは、彼の名前自体にも表れている。ノカード=Nokardという名前は、逆から読むと「ドラゴン」と読める、アナグラムだ。
国後島で取得した土地に観光客のためのキャンプを開設する計画だったが、ヴァーサは非常に控えめな生活を送っていた。彼はその場所から離れ、現在は日本人観光客のガイドとして働いている。
「彼がキャンプを建設するかどうかはわからなかった。明らかにその機会はなかったと思う。しかし、彼は北海道の都市である札幌にビザなし交流で行くためにあらゆることをした。おそらく、これは彼の最初からの計画だったと思うが、それはうまくいかなかった。ビザなし交流に参加できず、その後、新型コロナの影響でビザなし交流事業は停止してしまったから」と友人は言う。
そして、ヴァーサは、法律違反の極端な行動をとることに決めた。8月17日、バイクに乗った逃亡者は国後島の海岸にやってきた。彼はウエットスーツ、フィン、そして彼が必要とするすべてのものを備えた防水バッグを持っていた。残したバイクを売ってくれるよう友人に頼んで、男は海に飛び込んだ。
「数日後、ヴァーサはソーシャルネットワークで私にメッセージを送ってきた。日本から写真を送ってきた。彼は泳いで北海道に着いたと自慢した。23時間強かかったと言った。つまり、彼はほぼ1日外洋で泳いだのだ！」--ノカードの友人は付け加えた。
国後島と北海道の間の海の距離は24kmある。海峡の深さは2500メートルに達するところもあり、この時期の水温は15度前後。夢想家がコースを外れず、凍らず、死ななかったという事実は、本当の奇跡といえるかもしれない。
8月19日、侵入者は日本の警察官と対面していた。彼らは、泳いで来たというロシア人の言葉を信じなかった。地元のメディアは、ボートで海峡を渡ったのではないかと書いた。しかし、そのボートは見つからなかった。
その場で、ヴァーサは政治難民の地位を申請する意向を表明した。今、物議を醸している夢想家は、亡命申請が承認されることを期待することしかできない。日本側が彼の行動を正当なものとして認識できなければ、逮捕と国外追放が再び彼を待っている。
しかし、祖国ロシアでは「ドラゴン」(※ヴァーサ)を、両手を広げて歓迎はしないだろう。「ヴァーサ・フェニックスは不法に国境を越えた。ロシアに帰されれば、彼はロシア連邦刑法第322条に基づく刑事訴訟に直面する。最大2年間の懲役が科せられる」--ロシア連邦保安庁FSBのサハリン当局者は語った。
ヴァーサが国後島の海岸に残してきたバイク
ウラル出身の40歳のロシア市民は、国後島と北海道の間の24キロメートルの海峡を泳いで横断した。(写真：Vaas-Phoenix Nokrad、ソーシャルネットワーク)
