北方領土の話題と最新事情

北方領土の今を伝えるニュースや島の最新事情などを紹介しています。

「北海道から海岸に漂着するゴミの量に呆れた」国後島を訪れたロシア人写真家

旅行ブロガーで写真家のアンドレイ・グレヴィッチが国後島を訪問した際の印象を共有した。彼は、対岸の北海道から流れ着くゴミの多さに呆れたという。「国後島の人々は島をとても愛していて、汚さないようにしている。空き瓶もタバコの吸い殻も見たことがない」--。その一方で、海岸に大量に漂着する日本のゴミには閉口したという。「話には聞いていたが、これほどひどいとは思わなかった。海岸全体に、ペットボトルや洗剤などの容器、スリッパ、ゴム長靴、釣り道具、漁業に使うガラス製の浮き球などなんでもある」--。グレヴィッチによると、国後島から対岸の北海道がはっきり見え、晴天の夕方にはクルマのヘッドライトさえ見ることが出来るという。(astv.ru2022/5/18)

国後島の海岸で行われたゴミ収集活動(資料写真)

濃霧の国後島メンデレーエフ空港 サハリンからの便が着陸3分前に引き返す

5月18日、サハリンからの飛行機が国後島メンデレーエフ空港に着陸する3分前になって、急遽サハリンに引き返した。空港周辺が濃い霧に覆われたための措置。メンデレーエフ空港事務所がSNSテレグラムチャンネルで発表した。代替便は19日に運航される。(astv.ru 2022/5/18)

 

制裁でブリキ不足 ロシア産缶詰製品の価格28%上昇、頼みは同盟国ベラルーシでの増産

ロシア産の缶詰製品が原料のスズの不足により約28%上昇した。ロシア漁業庁によると、西側の制裁によりブリキの輸入が止まり、国外の供給先は中国だけになった。「国内のブリキ製造企業はいくつかあるが、注文量に対応できていない」と全ロシア水産協会ズベレフ会長は言う。制裁とサプライチェーンの混乱により、2022年のブリキのコストは前年同月比65%~83%上昇。これに伴い魚の缶詰製品の価格は約28%上がった。産業貿易省は同盟国ベラルーシの企業が増産することで対応できるとして協議している。(サハリン・インフォ2022/5/18)

 

エクソン撤退 サハリン1の石油生産量3分の1に減少 4月に比べて

外資参加による生産物分与協定(PSA)の条件で実施されているロシアの3つの石油プロジェクトの石油生産量が5月前半で37%減少し、1日あたり2万4,100トンに落ち込んだ。落ち込みが最も大きかったのは米国エクソンが運営するサハリン1プロジェクト。事業からの撤退に伴い、5月前半の1日の平均石油生産量は8,200トンと、4月に比べて3分の1に減っている。年間1,130万トンの石油を生産するサハリン1からの撤退により、同社は34億ドルの損失を計上している。一方、サハリン2も減少しているが1日あたり1万1,100トンを生産し、1.8%の減少にとどまっている。27.5%の株式を所有するシェルが撤退を表明したが、日本の三井(12.5%)と三菱(10%)は、年間400万トンの石油を生産する事業から撤退しない方針を決めている。(サハリン・インフォ2022/5/18)

 

ホテル不足の択捉島 知事が「海上ホテル」構想を唐突に提案 関係者からは失笑

観光客が急増する一方でホテルが不足している択捉島サハリン州のリマレンコ知事は客船をホテル代わりに活用する海上ホテル構想を唐突に提案した。18日の投資協議会で発言したが、知事の後ろにいた出席者からは失笑が漏れた。ライトアップされた白い客船、星空の下のデッキではパーティ…絵はいくらでも描けるが、笑いを押さえられなかった人々は、これが実現不可能であることを理解していたのだろう。択捉島の岸壁の水深は浅く大型船では無理そうだし、いつも強風が吹きつけ、観光客のためのインフラも整備されていないのだから。択捉島では島内の水産・建設業大手のギドロストロイ社が客室200室のホテル建設を計画しているが、完成までに数年はかかる。知事は陸にホテルが出来るまで海上ホテルを活用してはどうかと提案したのだった。が、州旅行業協会のイリーナ・リー氏は「ピーク時には有用かもしれないが…今年は必要ない」と答えた。(サハリン・インフォ2022/5/18)

ビザなし交流で択捉島を訪問する際は、交流船「えとぴりか」がまさに「海上ホテル」となる。



 

「エトロフ・ウイルス」一度訪ねたら虜になり、感染が広がる

 ウラジオストクのジャーナリストで写真家のマリーナ・ポジコさんが、色丹島択捉島で無料診療を行ったボランティア医師団に同行して、6年ぶりに択捉島を訪れた。色丹島択捉島とはどのように変わったのか聞いた。

 クリル諸島へのアクセスと料金は依然として大きな問題だ。ロシア人すべてに余裕があるわけではない。観光地として注目される択捉島では、観光シーズンが始まる前にチケットは売り切れている。ここは特別な場所で、手つかずの自然を守ってきたから。

 色丹島のお気に入りの場所は、ソルダツカヤ湾と高さ412mのシコタン山(斜古丹山)。クラボザボツコエ(穴澗)村には1mも舗装道路がないのに、なぜか安心感、安全、快適な感覚がある。クマがいないので観光客は自由に歩き、最も美しい場所にテントを張ることが出来る。開発が進んでおり、学校や文化センターが建ち、大きなスポーツ施設も出来た。しかし、それらは地元住民のための施設。択捉島では観光客のために、例えばバランスキー火山(指臼山)の麓にはホテル、カフェ、タクシー、温泉施設がある。そこまで行って体験するのは高くつくが、それだけ価値が十分にある。医療ボランティアで来島している医師たちは「エトロフ・ウイルスに感染したみたい」という表現をする。島の人々を助けるために来ている医師たちが、逆に択捉島の虜になり感染してしまう。そして彼らの家族や友人たちに感染が広がっていき、かくして択捉島ファンは拡大していく。(サハリン・インフォ2022/5/17)

以上3点は色丹島

 

観光需要が増大するサハリン--北方四島の増便を要請 客旅行業協会

サハリン州の旅行業協会のイリーナ・リー会長は州主催の会議で、観光客が増加しているクリル諸島(この場合、北方四島)への空路・航路の増便を図るようリマレンコ知事に要請した。昨年、海上輸送では新造フェリー2隻が就航したが、「今年の観光シーズンのピーク時にツアー会社が座席を確保できていない。運航便数を増やす必要がある」と訴えた。(サハリン・インフォ2022/5/17)