防衛省防衛研究所（東京）の兵頭慎治研究幹事が4日、根室市の道立北方四島交流センター（ニ・ホ・ロ）でウクライナ戦争と北方領土問題の関係について講演し「ウクライナ戦争が終息しなければ領土問題の解決は難しい。今が正念場だ」と呼び掛けた。(北海道新聞根室版2024/9/13)
兵頭さんはウクライナ戦争と北方領土問題はロシアが力で現状変更をしている共通点があり、「国際秩序の根幹が動揺する」と批判。日本がウクライナ侵攻による対ロ制裁をやめることは、法の支配を重んじる国際秩序を無視することで「北方領土問題にも悪影響となる」と述べた。
現在3カ国との領土問題を抱える日本について「残念ながら日本は領土問題が国家の主権や安全保障上の問題という意識が希薄。ロシアの認識と差がある」と指摘し、「北方領土問題が根室や北海道だけでなく、日本国全体の問題だという認識を持った時にこの問題の本質を理解することができる」と述べた。
講演は北方領土問題対策協会（東京）の若者向け啓発事業「北方領土ゼミナール」で行われた。
