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標津「北方領土館」改修検討 内閣府、啓発施設調査5500万円 25年度概算要求

 根室管内標津町北方領土館など、同管内にある北方領土返還に向けた啓発施設の改修や整備に向けて、内閣府が2025年度予算の概算要求として調査研究費5500万円を盛り込んだことが10日、分かった。(北海道新聞2024/9/11)

 内閣府によると、対象施設は北方領土館のほか、北方館(根室市納沙布岬)や展望塔(同管内別海、羅臼町)など。北方領土館は1979年完成。北方領土の歴史や返還運動の歩みを紹介していて、修学旅行生らも訪れる施設だが、老朽化が著しいという。

 施設改修や整備は同管内の1市4町でつくる「北方領土隣接地域振興対策根室管内市町連絡協議会」(会長・石垣雅敏根室市長)が長期化する返還運動の継続に向けて要望。内閣府北方領土関連の概算要求として19億4700万円を計上した中に盛り込んだ。(大井咲乃 、今井裕紀 )

グランドデザイン策定へ前進 標津・北方領土館改修検討 地元自治体は実現期待

(北海道新聞釧路根室版2024/9/11)

 【根室内閣府は老朽化が進む標津町の「北方領土館」など北方領土啓発施設の整備を視野に入れた「北方領土隣接地域における地域一体となった啓発促進策の調査研究費」として2025年度の予算概算要求に5500万円を計上した。根室市など根室管内自治体は実現を期待している。

 同管内1市4町でつくる北方領土隣接地域振興対策根室管内市町連絡協議会(北隣協、会長・石垣雅敏根室市長)が国に要望していたもので、内閣府北方領土関連の概算要求19億4700万円の中に経費が盛り込まれた。

 このうち老朽化が激しい北方領土館は1979年完成で鉄骨造り2階建て。北方四島の歴史や返還運動の歩みを伝える施設で、標津町北方領土復帰期成同盟から管理を受託している。築46年と古く、修学旅行生らも訪れるため再整備の必要性が高まっている。

 管内1市4町の首長は6月、北方領土館を中心とする啓発施設の整備をふまえた地域振興の「グランドデザイン」策定を内閣府自見英子沖縄北方担当相に要望した。自見氏は北方領土洋上慰霊に参加するため9月2日に根室市を訪れた際、関連する調査研究費5500万円を概算要求に盛り込んだことを説明し「担当大臣として予算を取っていきたい。若い世代にも調査研究班に参画してもらいたい」と報道陣に語り、予算化への意欲を示した。

 内閣府によると、整備を検討する啓発施設には根室市納沙布岬の北方館など他の施設も含まれる。市北方領土対策課は「グランドデザイン策定の要望が一歩進んだという認識」としている。(大井咲乃)