北方領土の話題と最新事情

北方領土の今を伝えるニュースや島の最新事情などを紹介しています。

サハリン選出議員「クリル諸島(千島列島)は私たちの土地」と書かれたマスク姿で国会に出席

サハリン州選出のゲオルギー・カルロフ議員は「クリル諸島(千島列島)は私たちの土地です」と書かれたマスクを着けて下院議会に出席し、同僚議員から喝さいを浴びた。その姿は下院の公式ウェブサイトにも掲載された。記者はカルロフ議員を直撃した。

記者「どうしてこんなに変わった方法で自分の立場を表現することにしたのですか?」

カルロフ議員「これは私だけでなく、サハリンとクリル諸島のすべての住民の立場です。残念ながら、最近日本の専門家は、島々の領有について積極的にメディアで発言し始めています。彼らはロシアの防衛力強化を好まない。彼らは私たちの領土の発展に関するニュースに痛々しいほど反応します。私はメディアを通じて、定期的に隣人に思い出させるべきだと思います。『クリル諸島は私たちの土地です』と」(astv.ru 2021/3/19)

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「択捉と国後が日本領」州都で奇妙な地球儀が販売されていた

ユジノサハリンスクにある大きなショッピングセンターの1つで、サハリンの住民は奇妙な地球儀に出くわした。択後島と国後島は日本と同じ色に塗られ、色丹島など小クリル諸島の島々はまったく存在していない。「コンフォートハウス」は、クリル諸島(千島列島)が完全にロシア領となっていない地球儀を販売している。以前、astv.ruが報じたように日本の菅首相は、1956年の日ソ共同宣言に基づいて、ロシアとの対話を通じて南クリル諸島(北方領土)の問題を解決する意向を示した。一方、サハリン州選出のゲオルギー・カルロフ下院議員は、「クリル諸島は私たちの土地です」と書かれたマスクを着けて下院議会に出席し、ほとんどすべての派閥の同僚が彼への連帯と支持を表明した。(astv.ru 2021/4/12)

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北方四島航路に就航する「ネベルスキー提督」号 寄港地をウラジオから燃料価格が安い釜山に変更

サハリンと北方四島を結ぶために建造された貨客船「ネベルスキー提督」号は、当初予定のウラジオストクには寄港せず、韓国の釜山を目指すことになった。変更の理由は、釜山の方が燃料の質が高く価格が安いため。給油にかかる時間も短いという。新型コロナの検疫の状況を調査しているが、検疫規則が厳しい場合は寄港地をウラジオストクに戻す。サハリンのコルサコフに向かう最後の寄港地になる。(サハリン・クリル通信2021/4/14)

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択捉島のクリル行政府、困窮者などを支援する福祉予算減額2,291万⇒1,427ルーブルに

択捉島などを管轄するクリル行政府は2021年の低所得者への支援事業などの福祉予算を削減した。2021-2025年までの追加的社会支援として、昨年11月に2,291万ルーブルの支援策を決定したが、864万ルーブル減額し1,427万ルーブルとした。行政府は、生活困窮者への物的支援として10万ルーブル、障がいを持つ子供がいる世帯への治療費等の支援策として30万ルーブルを支給するなどしている。(サハリン・インフォ2021/4/13)

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色丹島・斜古丹 家庭ゴミの埋め立て地で火災発生

現地時間4月13日午後8時6分、色丹島マロクリリスコエ(斜古丹)村近くの家庭用ゴミ埋め立て地で火災が発生し、25㎡が焼けた。消防車1台と消防士3人が出動し、同8時27分に鎮火した。消防で火災の原因を調査している。(astv.ru 2021/4/13)

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資料写真

サハリン--北方四島航路の第2の貨客船、サハリン引き渡しずれ込み スエズ運河の座礁事故の影響

サハリン--北方四島航路に就航する2隻目の新造貨客船「パベル・レオーノフ」号は現在、サンクトペテルブルクの造船所で建造の最終段階にあるが、スエズ運河の事故の影響でサハリン到着が遅れる見通しとなった。同船は、サハリンに向けて航海中の「ネベルスキー提督」号の姉妹船で、海上公試の開始に向けて準備中だ。造船所によると海上公試は4月中にラドガ湖で行われるという。当初引き渡しは5月と言われていたが、早くとも6月末になりそうだ。ただ、スエズ運河でコンテナ船の座礁事故があったことから、船を運ぶためのルートが承認されていない状況という。(サハリン・クリル通信2021/4/14)

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国後島、色丹島 2020年出荷額51億2,730万ルーブル

南クリル都市管区(国後島色丹島歯舞群島を管轄)の2020年地域経済報告をまとめた。それによると、中堅・大企業の経済活動による製品、サービスの出荷額51億2,730万ルーブルだった。これはサハリン州全体の出荷額の0.6%にあたる。水産業では、漁獲量が10万4,300トン、シーフード3,200トン、缶詰などの加工品は11万200トンだった。農業では、個人の農家147戸、法人農場7社で、この1念で牛49頭、豚20頭、家禽類2,321羽増加した。農業生産の発展を妨げ、価格上昇につながる要因として、報告書は高品質の飼料不足、輸送コストの高さ、燃料高、農業生産者間の競争の欠如を挙げている。建築分野では、国後島ユジノクリリスク(古釜布)と色丹島のクラボザボツコエ(穴澗)にそれぞれ5つの集合住宅が引き渡しになった。また、道路建設ではユジノクリリスク--ゴロブニノ(泊)間の高速道路は新たに8kmが供用開始となった。事業費は7億4,390万ルーブルだった。(サハリン・インフォ2021/4/13)

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