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歯舞漁協運航 最東端クルーズ客最多 23年度250人 野鳥観察の外国人に定着

 根室市内の歯舞漁協が運営する遊覧船「本土最東端パノラマ・クルーズ」の2023年度の乗客数は前年度比11人増の250人となり、過去最多だった。コンブ漁の指導船を漁期以外に活用する取り組みで、乗客の3分の1は主に野鳥観察を楽しむ外国人という。(北海道新聞根室版2024/6/7)

 遊覧船は歯舞漁港発着。納沙布岬から3.7キロ離れた北方領土貝殻島に近い日ロ中間ライン近くまで指導船「第15はぼまい丸」(9.7トン、旅客定員12人)で約2時間かけて往復する。例年11月から翌年4月まで運航し、地元コンブ漁業者が船から見える景色や生き物などについて解説する。

 運航は08年度に始めた。同漁協によると10年前の13年度は128人だった乗客は年々増え、20、21年度のコロナ禍による中断を挟み、22年度は50回運航し、最多の239人が乗船。23年度の乗客は250人と最多記録を2年連続で更新した。カナダや英国などの欧米客が目立ったという。

 ピークは1、2月。外国人も楽しめるようにガイド役の漁業者は翻訳機を使って案内し、英語版ホームページもある。

 晴れた日は貝殻島灯台水晶島が間近に見える。国の天然記念物のオジロワシオオワシ環境省絶滅危惧種のヒメウなどの野鳥や、ゼニガタアザラシ、イシイルカなどにも出合えることもある。歯舞漁協の担当者は「バードウオッチングを目的に来る個人客や外国人客に定着してきた」と手応えを感じている。

 今季は11月に再開し、午前9時半と正午発。大人7千円、小中学生3千円。前日までの予約制。悪天候や乗客が3人未満の場合は中止する場合がある。