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侵攻後初か ロシア極東ウラジオストク~石川 “旅客船”定期便週1で運航― 北方領土・色丹島の旅行会社「行き来する需要があると聞いた」対ロ制裁に抵触せず

 北方領土色丹島を拠点とする旅行会社「ボストークツアー」が、ロシア極東のウラジオストクと石川県七尾港を結ぶ旅客船の定期運航を始めました。ロシアの旅行会社による日本への直行便は、2022年2月のロシアのウクライナ侵攻後初とみられます。日ロ間の旅客便をめぐっては、ロシアへの制裁で、空路の運航を停止しています。外務省の日露経済室は「現状では禁止措置を講じていない」として、旅客船は対ロ制裁に抵触しないとしています。(UHB北海道文化放送2023/10/24)

ウラジオストク→七尾の乗客が2人 七尾→ウラジオストクは6人

 船を運航するボストークツアー社は北海道ニュースUHBの取材に「出張や帰省、観光などの目的でロシアと日本を行き来する需要があると聞いた」と、直行便就航の理由を説明しました。

 当初、東京への直行便を検討していましたが、移動が長時間に及ぶことや入港の手続き、費用面から難しいと判断して石川県七尾港に決めました。

 10月24日午前10時30分ごろ、石川県七尾市の七尾港にロシア人の男女2人を乗せた旅客船「プレイオーナ」が入港しました。2人は観光目的で来日したとみられます。

 船は日本時間の24日午後4時、子供を含む男女6人を乗せてウラジオストクに向けて出港しました。

かつて日本の高校が使用した実習船 費用は片道約10万円

 旅客船は全長約59m、幅約10m。定員は乗客43人と乗員29人で、かつて日本の高校で漁業実習船として使われた船でした。

 ウラジオストク~七尾の移動時間は約48時間、費用は片道6万7600ルーブル(約10万円)から。同社は今後、週に1回ウラジオストクを出港する予定と話しています。