北方領土の話題と最新事情

北方領土の今を伝えるニュースや島の最新事情などを紹介しています。

国後島南部の川2か所にサケの孵化・養魚場建設へ

国後島のサケの孵化場を視察したサハリン州漁業省のラドチェンコ大臣は、太平洋サケの資源回復を目指す取り組みとして、同島南部に新たに2つの孵化場・養魚場が建設されると明らかにした。国後島ではここ数年で、サハリン州政府の支援のもと、3つの孵化場・養殖場が建設された。南クリルルイバコンビナートが所有するベルブヒナ川の孵化場では今年、2,000万尾以上のシロザケの稚魚を生産した。今後、数年間のうちに採卵数は2倍になると期待されている。ゴロブニノ村(泊)では個人起業家のマキシム・ムラヴィョフ氏がサケ養殖場のネットワークを構築している。「リコルダ川(塘川)とゴロフニン川(泊川)では今年、2,500万尾のシロザケの稚魚が養殖されている。現在、近隣のフレブナヤ川とセンナヤ川(ポンタルベツ川)に新しい孵化・養魚施設を建設の建設に向けて承認をえるための科学的調査が進められている」と語った。(astv.ru 2023/3/20)

ラドチェンコ大臣(左)

 

国後島・泊 ウニの養殖施設の建設進む 古釜布の水産会社など

国後島南部のゴロブニノ村(泊)で、ユジノクリリスク(古釜布)の水産会社ナタリーとアルバコールが稚ウニを育てる養殖工場を建設している。2021年には、小クリル列島(色丹島歯舞群島)の海域にウニの養殖を目的とした海区が設定され、入札によって両社に提供され、投資プロジェクトが実施されている。サハリン州政府漁業省のラドチェンコ大臣が自身のSNSテレグラムチャンネルで明らかにした。(ラドチェンコ大臣のテレグラムチャンネル2023/3/19)※ラドチェンコ大臣は以前、国後島を管轄する南クリル地区の副市長を務めていた。

 

国後島・古釜布 39歳の男が登記所にウオッカ入り「火炎瓶」を投げつけた訳

国後島ユジノクリリスク(古釜布)在住の39 歳の男がウオッカ入りのボトルに火をつけて登記所の玄関に投げつけ、放火未遂の罪で起訴された。捜査関係者によると、男は昨年12月、同居していた恋人に結婚を申し込んだ。男には妻がいたが、離婚すると約束した。しかし、離婚手続きが遅れたため、恋人との間で喧嘩となり、結局別れることに。男は母親と一緒に暮らすようになった。男は母親とも折り合いが悪くなり、酒におぼれた。いつものように酒を飲んだ後、買い物に出た。登記所の建物の前を通った時、離婚手続きが遅れたことでこんなことになったと、怒りがふつふつと湧いてきた。いったん自宅に戻った男は、ウオッカのボトルの口にマスクを詰め、即席の「火炎瓶」を用意。登記所まで戻って、導火線代わりのマスクに火をつけて玄関に投げつけた。は火すぐに消えて大事には至らなかったが、損害額は90万6,000ルーブルと見積もられた。後で分かったことだが、男は登記所の玄関を間違えて、別の事務所のポーチに火炎瓶を投げつけていた。男は起訴されて裁判にかけられる。(sakh online 2023/3/15)

 

トレジャーハンターのコレクション サハリンと北方四島で発掘

サハリンの住民がYouTube チャンネルで、ホルムスク出身の風変わりなトレジャーハンター、アレクセイのコレクションを紹介している。サハリンやクリル諸島(北方四島)で収集したもので、彼の家には日本をはじめ中国や韓国の酒器、コイン、指輪、金のペンダントなどがずらりと展示されていた。彼はこれらすべてのアイテムを慎重に掘り出し、きれいに洗ってアパートの棚に飾っている。コレクションの中には、掘削作業中に発見された日本の伝統的な建物の形をしたかわいらしい置物もある。(astv.ru 2023/3/15)

https://youtu.be/MIeWMnlj0Zg

 

国後島・古釜布 ゴミの撤去作業 行政が参加を呼びかけるも住民無視

長年あらゆるゴミが捨てられ放置されてきた国後島ユジノクリリスク(古釜布)のコムソモール60年通りで、2日間にわたり清掃作業が行われたが、南クリル地区行政府の呼びかけにもかかわらず、地区住民は誰一人として片づけ作業に協力しなかった。行政府によると、この地区にはここ数年の間に、3~5トンのコンテナやアンテナ、トタンや廃材などの住宅建材などが捨てられてきた。ゴミの撤去と清掃には公営企業住宅共同サービスの職員4人が出動。「ゴミは4台のダンプカーで市のゴミ捨て場に運ばれた。残念ながら、SNSで清掃作業への協力を呼び掛けたが住民は誰も応えず、窓から様子をうかがっているだけだった。このゴミについて苦情を言っていた住民も出てこなかった」と行政府はSNSで報告した。(astv.ru 2023/3/17)

 

アニワ灯台再建へ 国防省からサハリン州へ移管を 知事がプーチン大統領に要請

ロシアでもっとも到達困難場所にある灯台として、サハリンの観光名所になっているアニワ灯台(※1939年、日本が建設した中知床岬灯台)--。州政府は老朽化が進んでいるため再建したいと考えているが、ネックになっているのが所有権。リマレンコ知事はブーチン大統領との会談で「アニワ灯台は観光客にとって魅力的な場所。私たちはこのユニークなオブジェクトを再建する予定だが、そのためには国防省からサハリン州に所有権を移転する必要がある。国防省に譲渡するよう指示してほしい」と協力を要請した。(sakh online 2023/3/15)

 

北方四島を含む千島列島への観光客数2万5,000人 2022年

サハリン州政府のラザレフ観光大臣は「2022年にクリル諸島(北方四島を含む千島列島)を訪れた観光客は2万5,000人に達したが、団体が利用できる宿泊施設が不足しているため、大幅な増加は見込めない」と語った。大臣によると、島のホテルの部屋数を大幅に増やす予定はないという。2023年のサハリン州への観光客の入込数は前年より15%増加すると予想している。(sakh online 2023/3/17)