北方領土の話題と最新事情

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北方領土テーマ 書道展初開催へ 千島連盟中標津支部

 【中標津】千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟)中標津支部(舘下雅志支部長、115人)は2024年度通常総会中標津経済センターで開いた。約30人が出席し、町内の小学生を対象にした北方領土書道展の初開催を盛り込んだ事業計画などを決めた。(北海道新聞根室版2024/4/16)

 12日に開催。舘下支部長はあいさつで、1964年に始まった北方領土墓参が60周年を迎えるとし、「昨年の洋上慰霊では元島民が国後島に向けて合掌した。上陸して行う北方墓参の一日も早い再開を国に強く要望する」と述べた。北方領土返還要求署名活動で2958筆(前年度比1097筆増)が集まったことにも触れた。

 本年度の主な事業は、青少年洋上セミナーを7月7日に羅臼町で開催し、中標津住民大会は8月10日に「なかしべつ夏祭り」の会場で行い、町民向けの「北方領土クイズ大会」は来年2月に実施する。(実松充洋)

約30人が出席した千島連盟中標津支部総会



 

単独の洋上慰霊 2年ぶり実施へ 千島連盟羅臼支部

 【羅臼】千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟)の羅臼支部(鈴木日出男支部長、会員104人)は13日、2024年度通常総会羅臼国後展望塔で開いた。本年度事業計画で、同支部単独の洋上慰霊を行うことなどを承認した。(北海道新聞根室版2024/4/16)

 千島連盟副理事長として出席した鈴木支部長ら約20人が参加。洋上慰霊は2年ぶりの開催で、町の協力も受けて夏ごろに実施予定。北方領土パネル展を町内で開くほか、引き続き学生対象の北方領土学習会を行うことも確認した。

 同支部の本見泰敬支部長代行は「北方墓参や自由訪問などがロシア側から一方的に停止を表明されていることは許しがたい。早期に北方墓参が再開できるよう強く訴えていきたい」と述べた。(野口今日子)

千島連盟羅臼支部通常総会であいさつする本見支部長代行

元島民へ聞き取り 標津町制作の映像上映 千島連盟支部が総会

 【標津】千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟)標津支部(福沢英雄支部長、96人)の総会が13日、町文化ホールで開かれ、2024年度の事業計画案などを承認した。冒頭で、元島民へのインタビューを収録した町制作の映像が上映された。(北海道新聞根室版2024/4/16)

 会員ら20人が出席。福沢支部長はあいさつで、昨年は本州などから修学旅行生が多数来町したとし、「(北方領土問題対策協会による)飛行機代補助などもあり、今年はさらに増加すると予想している」と話した。

 上映した映像は元島民の思いを後世に残し、町内外での啓発に活用するために制作。元島民の座談会、子供向けの映像など3種類あり、この日は元島民へのインタビューの一部が10分ほど流れた。谷内和夫さん(70)=歯舞群島水晶島元島民2世の配偶者=は「素晴らしい作品。当時のことをよく知らなくても雰囲気が伝わる」と話した。(森朱里)

北方領土の元島民のインタビューを収録したDVDを鑑賞する千島連盟標津支部の会員ら

択捉島・紗那の空に矢印?ガンの隊列飛行

択捉島リリスク(紗那)在住のスヴェトラーナ・プシュカレワさんが14日のお昼休に美しいガンの群れを撮影した。ガンはくさびか、矢印のような隊列を組んで、飛んでいった。(赤い灯台テレグラム2024/4/14)

https://t-me.translate.goog/gazeta_km/15199?_x_tr_sl=ru&_x_tr_tl=en&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=wapp


国後島・古釜布の民家で火事72㎡焼くも死傷者なし

14日夜、国後島ユジノクリリスク(古釜布)のピオネルスカヤ通りにある民家で火事が発生し、建物72㎡を焼いた。通報があたのは14日20時8分(ローカルタイム)て、消防車2台と消防士14人が出動し、3分で現場に到着。22時31分に鎮火した。死者や負傷者はいなかった。(astv.ru 2024/4/15)

https://vk.com/video-40123810_456244074

 

Project Hula(プロジェクト・フラ)—南樺太と北方四島を含む千島列島侵攻に使用された米国艦船

日本との戦争における米ソ極秘協力「プロジェクト・フラ」により米海軍からソ連海軍に移管された艦船(149隻)は、1945年8月--9月のソ連軍による樺太南部と千島列島、そして北方四島への侵攻・占領に使用された。

◉1945年8月16日 樺太・塔路上陸 

 ソ連艦隊29隻のうち米国艦船6隻(掃海艇4、駆潜艇2)

◉8月18日  北千島・占守島(※竹田浜)上陸 

 ソ連艦隊45隻のうち20隻(上陸用舟艇16隻、掃海艇4隻)

◉8月20日  北千島・占守島・片岡上

 ソ連艦隊7隻のうち米国艦船1隻(掃海艇)

◉8月20日 樺太・真岡上

 ソ連艦隊34隻のうち米国艦船6隻(掃海艇4、駆潜艇2)

◉8月23日--25日 樺太・大泊、本斗上陸

 ソ連艦隊10隻のうち米国艦船9隻(すべて掃海艇)

◉8月23日--24日   幌筵島上陸 

 ソ連艦隊5隻のうち米国艦船3隻(すべて上陸用舟艇)

◉8月24日 志林規島(シリンキ)、磨勘留島(マカンルシ)、温禰古丹島(オネコタン)

 ソ連艦隊4隻のうち米国艦船3隻(掃海艇1、上陸用舟艇2)

◉8月26日  春牟古丹島(ハルムコタン)、越渇磨島(エカルマ)、捨子古丹島(シャスコタン)、松輪島(マツワ)、計吐夷島(ケトイ)、新知島(シムシル)上陸

 ソ連艦隊11隻のうち米国艦船3隻(掃海艇2、上陸用舟艇1)

◉8月28日 得撫島(ウルップ)

 ソ連艦隊7隻のうち米国艦船2隻(掃海艇1、上陸用舟艇1)

◉8月28日--9月5日 北方四島上陸

 ソ連艦隊18隻のうち米国艦船11隻(掃海艇7、上陸用舟艇2、護衛艦2)

サハリン州郷土博物館紀要№3(2011年 3月発行)の「1945 年 8 月にサハリンとクリル諸島の上陸作戦に使用された艦船と補助艦艇の注釈付きリスト」(イーゴリ・サマリン)を参考に作成

 

国後島 美術教師らが南クリル地区の島のジオラマ製作

サハリンの勝利博物館・記念複合施設の「歴史公園-ロシアは私の歴史」企画の一環として、国後島の美術教師たちが「南クリル都市管区(※国後島色丹島歯舞群島)の島」と題したジオラマを製作した。立体模型のレリーフは紙粘土で作られ、表面はアクリル絵の具で塗った。地区最大の島である国後島は集落、湖、滝、汽船のほか主な天然記念物が表示されている。海はエポキシ樹脂製でオホーツク海や太平洋の臨場感を表現し、海岸は火山の砂と石で作成されている。近く、南クリル地区の展示会で発表される予定。(南クリル地区行政府テレグラム2024/4/12)