北方領土の話題と最新事情

北方領土の今を伝えるニュースや島の最新事情などを紹介しています。

択捉島・内岡 30歳の男性不明 殺人も視野に捜査開始

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北方四島の話題

 サハリン・インフォ2019/5/15

連邦調査委員会のクリル捜査部は、択捉島で行方不明になっているキトヴィ(内岡)在住の30歳の男性の失踪に関して、殺人の疑いもあるとみて捜査に乗り出した。行方が分からなくなっているのはイワン・ベリーさんで、5月10日午後6時に集会に参加したが、その後1時間半以内に携帯が通じなくなった。イワンさんの友人によると、前日にイワンさんは飲食店で地元の人々と口論となった。その場は収まったものの、翌日再びキトヴイの展望台で口論相手と会ったらしい。サハリン州内務省の刑事捜査員が択捉島入りし、本格的な捜査を開始する。行方不明者の捜索には軍から兵士が参加する。

択捉島・紗那墓地 第二次大戦に参加した兵士を称えるモニュメントが無関係の少女の墓に建てられた

北方四島の話題

 サハリン・インフォ2019/5/15

●…択捉島を管轄するクリル行政府は、大祖国戦争(対ナチスドイツとの戦争)に参加し、その後択捉島で亡くなった軍人のお墓に、功績を称えてモニュメントを設置しているが、それが今、とんでもないことになっている。クリリスク(紗那)に住むビクトリア・クリルチャンカさんによると、両親の墓にお参りするため紗那墓地に行った時、少女が埋葬されていたはずのお墓に、真新しい記念碑が建てられていた。モニュメントには「グレンコ・ニキトビッチ」さんの氏名と生まれた日、亡くなった日が刻まれていた。ビクトリアさんは、モニュメントを建てるお墓を間違えたのではないか、とピンときた。紗那墓地の古い墓がある区画に行って確認すると、ニキトビッチさんの墓がそこにあり、妻と一緒に埋葬されていた。なぜこんなことが起こるのか? 戦争の英雄の記憶を永続させるという取り組み自体は素晴らしいが、軍人が埋葬されている墓がどこにあるのかを知っている人はほとんどいなかった。にもかかわらず、記念碑を設置するリストが作成され、資金も割り当てられた。2018年5月9日の戦勝記念日に最初の記念碑が設置され、同年9月3日のサハリンとクリル諸島解放の日にまで12のモニュメントが設置された。モニュメントを設置した会社の担当者は「まさか? 行政によって承認されたリストに基づいて作業したのだが。私たちはモニュメントを移し替え、先に埋葬されていた少女名前を確認し、当社の費用で彼女の記念碑も建てるつもりだ」と話している。行政政府は、今年も記念碑の設置を続けると主張し、すでに予算が割り当てられている。

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少女のお墓に間違って建てられた記念碑
 

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紗那墓地の別の場所にある軍人のお墓

●…択捉島を管轄するクリル行政府は5月9日の戦勝記念日に合わせて、戦争を体験した高齢者に贈り物をしているが、今年の戦勝記念日の式典では、別のスキャンダルも発生した。行政府では5月9日までに、退役軍人や戦争未亡人、戦争体験者に対して贈り物を贈っている。それはお金だったり、記念品だったりする。今年は軍から提供された食料品が贈られた。コメ、エンドウ豆、コンデンスミルクの缶詰、煮込んだ肉、グラニュー糖だった。島で一番の高齢者で95歳の女性にも贈り物が届いた。受け取った親戚は「これは、施しではないか」と受け止めた。不快な思いをしたのは一人だけではなかった。行政府では贈り物の対象者すべてに平等に配布されるように食料品を分けて届けた結果だったようだ。配られた輸入品の品質と見てくれもいまいちだった。

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色丹島・斜古丹 2020年11月に島内初のアスファルト道路完成

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北方四島の話題

 astv.ru 2019/5/15

舗装道路がなかった色丹島に、2020年11月までに舗装道路が出現する。舗装されるのはマロクリリスコエ(斜古丹)のソヴェツカヤ通りとテレシュコワ通り。事業費は1億9,400万ルーブルで請負業者も決まった。業者はアスファルト舗装工事と併せて、歩道やバス停、街灯を設置する。工事開始前には、考古学的遺跡を保護するための調査が必要になる。

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ビザなし交流 今年最初の訪問団が国後島で3日間を過ごした

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北方四島の話題

 サハリン・インフォ2019/5/13

今年初めての日本からのビザなし交流訪問団が国後島で3日間を過ごした。訪問団65人は10日、南クリル行政府にブラセンコ市長らを表敬。市長は「1992年にビザなし交流を通じて、クリルの住民は日本の文化に精通している。最近ではクリルの子供や若者たち130人以上が北海道の病院で治療を受けている。共同経済活動のビジネスミッションも3回行われており、企業家たちが貿易と産業を発展させるプラットフォームを見つけることが出来ると確信している」と挨拶。訪問団の大塚団長は「文化交流の長い歴史は私達の関係を着実に改善している。近い将来、平和条約を締結できる日がきっと来ると信じている」と応じた。この後、行われた合同コンサートでは日本側が和太鼓の演奏を披露した。滞在中、訪問団は日本人墓地をお参りしたほか、ホームビジット、幼稚園やスポーツ施設の視察、景勝地である「悪魔の指」(ローソク岩)を訪れた。

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択捉島のロコトフ市長が資産公開 2018年の収入は約745万円

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北方四島の話題

 サハリン・インフォ2019/5/6

択捉島、ウルップ島を管轄するクリル都市管区のロコトフ市長が資産を公開した。それによると、2018年の収入は4,408,752ルーブル(約745万円)で、前年の980,292ルーブルから増加した。市長は妻と二人の名義で土地964㎡とアパート(73.9㎡)を所有。その他にも51,917㎡の土地と2つのアパートを持っていた。また、市長夫妻は自動車2台(トヨタのプラドとラッシュ)を所有している。サハリン州では首長の資産公開を推進しているが、積極的な動きは見られず、ロコトフ市長は公開した2番目の首長となった。

国後島のクリル自然保護区で清掃活動 ペットボトルなど14袋分のゴミ回収 袋に入った動物の死骸も

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北方四島の話題

 astv.ru/news/2019/5/7

国後島のクリル自然保護区のスタッフが保護区内の太平洋側の海岸線で清掃活動を行った。東沸近郊のグルホエ湖からベルキナ川までの海岸線1.5kmで、ガラス瓶やペットボトル、ロープ、プラスチック片など、20ℓのゴミ袋9つ分のゴミを回収した。さらに、ベルキナ川からアンドレエフカ川までのわずか300mのエリアでもゴミが散乱、拾い集めると5袋分にもなった。雪が溶けた後のエコロジカル・パス(生態系の道)「ストルボフスカヤ」の入り口にある駐車場では、動物の死骸が入った袋が見つかった。

ビザなし交流 2019年最初の日本人訪問団が根室港から国後島に向かった

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北方四島の話題

 astv.ru/news/2019/5/10

ロシアと日本のビザなし交流プログラムの枠組みで、2019年最初の日本人訪問団が10日、国後島に向けて根室港を出港した。タス通信が報じた。訪問団は約60人で、「えとぴりか」に乗船。13日まで国後島に滞在し、先祖の墓などを訪れ、ロシア人島民と交流する。今年のビザなし交流は5月から9月にかけて、日本人による南クリル訪問が9回、南クリル住民による日本訪問が6回予定されている。