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択捉島最古の振別 旧跡、史跡「累々として尽きず」 

 昭和8年に出版された「根室千島両国郷土史」(本城玉藻編)に、択捉島・振別に関する興味深い記述がいくつか出てくる。

◎振別湾 振別村は本島最古の旧跡にして史跡、又累々たり。今は荒廃して、僅に漁家三戸永住するのみなり。古都の周囲高丘には幾多の記念碑あり、墓標あり、仏像あり、陣屋跡あり、砲台跡あり、記念植樹あり、米倉澤に兵糧、武器、船具、貴重実物、書類秘蔵の穴倉数個跡あり、密漁防備の砲台十七門を据へ付けたる跡あり累々として盡(尽)きず。

 数年前、北方四島交流事業(ビザなし交流)の枠組みの一つである歴史文化専門家交流で、振別の現地調査をロシア側に要望したが、実現できなかった。

ヱトロフ嶋全図幷廿五場所之図所収「フウレベツ勤番所並漁会所元之図」(東北歴史資料館研究紀要 1より)

根室千島両国郷土史」(本城玉藻編)