北方領土の話題と最新事情

北方領土の今を伝えるニュースや島の最新事情などを紹介しています。

南クリル地区(国後島・色丹島)の人口11,962人 前年から14人減少 地区の予算収入30.8億ルーブル、支出32.2億ルーブル 市長が2022年実績の行政報告

国後島色丹島歯舞群島を管轄する南クリル地区のゴミレフスキー市長が2022年の社会経済発展の成果を総括する行政報告を行った。(kurinews,ru 2023/3/7)

【人口】

2023年1月1日現在、南クリル地区の人口は11,962人(※11,976人=2022年1月1日時点)で、出生率は依然として死亡率を上回っている。2022年1~12月の出生数は87人で、前年比10人減少した。人口の自然増は2021 年の 26 人から 21 人に減少した。転出人口は35人に上った。

【雇用・年金】

経済面では、2023 年 1 月 1 日の時点で248 の法人と 189 の個人起業家が登録されている。2022 年の雇用者数は5,600人だった。2022 年 12 月末の正式な失業者数は 17 人でサハリン州で最も少ない。2023 年 1 月 1 日現在の平均年金は3万2,800ルーブルサハリン州全体の年金受給者の2倍となっている。

【漁業】

2022 年の魚の生産量は 12万6,400トンで、前年比 1.9% 減少。魚、甲殻類、軟体動物の加工品および缶詰の生産量は 26.1% 増加し、12万8,400トンに達した。魚粉は17,000トン、缶詰は132万6,000個が生産された。

【農業】

2022 年 12 月 31 日現在の牛の数は 396 頭、豚は 66 頭。所有者には州政府と地区行政府から家畜の飼料の配送費用が補助され、乳牛の維持のために補助が提供される。2022 年には330.2 トンの飼料および飼料穀物が納入され、補助金の総額は1,494万ルーブルだった。

【消費者市場】

管内には139の事業体(国後島113、色丹島26)がある。社会薬局は国後島3店舗、色丹島2店舗を含む5店舗。

【投資】

民間投資として7つのプロジェクトが実施されており、2022年の総投資額は29億ルーブルに達した。生産の近代化と拡大を目的とした大規模な投資プロジェクトが水産企業によって実施されている。優先的社会経済発展区域(TOR)「クリル」に指定されている色丹島では4つの投資プロジェクトが進められている。南クリル・リボコンビナートは国後島でサケの養殖場の建設プロジェクトを実施。2022年は魚粉と魚油の工場が稼働した。ゴロブニノ(泊)ではミニベーカリーが建設された。モバイルGTESは国後島色丹島の電力産業の発展のため、国後島での風力発電所の建設、液体・気体燃料を使用した発電所液化天然ガス貯蔵施設の建設プロジェクトを実施する予定。

【極東ヘクタール】

極東ヘクタールを申請した市民の数は 31 人で、そのうち 13 人がサハリン在住。20 件の無償使用契約が締結され、譲渡された区画の面積は 3.3 ヘクタールに達した。事業開始以来、延べ1,019名の市民から申し込みがあり、393.1ヘクタールが市民に譲渡された。

【輸送】

2022 年の海上輸送の旅客輸送量は 6.6% 減少し、2,926 人。「南クリルドッケル」は、国後島色丹島の間で216便を運航し、130万トンの貨物を輸送した。空の旅客輸送実績は 2021年より2.9%多い42,556人。504回のフライトが行われました。 国後島色丹島の集落間ルートのバス輸送量も2021年に比べて2.7%増加し、7,486便が運行され、7万5,700人が輸送されました。

【犯罪】

2022 年の犯罪発生件数は107 件、前年を11 件下回った。人口 10,000 人あたりの犯罪発生率は 89.3 とサハリン州で最も低い。犯罪検挙率は 90.6% だった。

地方財政

2022 年の南クリル地区の予算収入は 5% 減少して30 億 8,330 万ルーブルだった。自主財源の税収は25.5%増加し、9億370万ルーブルに達した。予算支出は32億1,910万ルーブルで、前年から5,150 万ルーブル(1.6%) 減少した。2023 年 1 月 1 日現在の財政赤字は 1 億 3,580 万ルーブルに達した。

【2023年の自治体としてのタスク】

➀住民に快適で質の高い住宅の提供➁住宅および公共サービスの質の向上➂輸送インフラの開発と切れ目ない輸送リンクの提➃社会インフラの開発➄経済への投資の誘致と起業家精神の発展

南クリル地区のゴミレフスキー市長