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築85年、日本が建てたサハリン郷土博物館 修復工事が動き出す 日本からの建材調達に問題も

築85年以上が経過し、天井から雨漏りがするなど老朽化が進むサハリン州郷土博物館の修理修復工事が2年以内行われる見通しになった。長い間、州政府の困難な財政・経済状況もあって見送られてきたが、やっと2023年に資金が割り当てられた。同博物館のユリ・アリン館長は「博物館は文化遺産に登録されており、何をするにも多くの制限と膨大な文書が必要になり、結局、何もすることが出来なかったが、文化省のおかげで近く修復のための設計業務を発注する予定だ」と語った。修理修復に向けては予算以外にも課題がある。建物は国家による保護の対象になっており、修理修復に関するあらゆる行為は連邦政府文化省からライセンスを認可された組織によって作成されたプロジェクト文書に基づいて実施する必要がある。州内には認可された組織は2つあるが、同博物館の修理修復業務のような経験を有していない。館長は「建物は日本人によって建てられたものであり、そのことは修理修復に使用する建材の確保に問題があることを意味している。例えばタイル交換には日本企業との契約が必要だった」と館長はいう。(サハリン・メディア2023.3.3他)