北方領土の話題と最新事情

北方領土の今を伝えるニュースや島の最新事情などを紹介しています。

3世代が紡ぐ思い 国後出身 「返還運動の火消さない」 陸揚庫地図、動画発信…「快結」模索

 ロシアのウクライナ侵攻は24日、1年を迎えた。ロシアは、欧米と共同歩調を取って制裁を科した日本を「非友好国」とみなし、平和条約交渉を一方的に中断させた。北方領土を訪問するビザなし交流などの合意も効力が停止され、元島民らは古里への渡航の機会を奪われた。先行きの見通せない絶望的な状況の中、国後島出身の元島民、子、孫の3世代が「返還運動の火を消してはならない」と奮起し、活動に力を入れる。(毎日新聞 2023/2/25)

 国後島出身の元島民、久保幸雄さん(87)=根室市=は2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻に頭を抱えた。高熱によって8歳で視力を失った幸雄さんにテレビの画面は見えないが、耳から入る戦禍の情報から惨状は目に浮かんだ。とりわけ戦闘の最前線で踏みとどまる夫と離れ、小さな子どもを連れて隣国に逃れようとする家族らのニュースにくぎ付けになった。旧ソ連軍の北方領土侵攻という78年前の記憶がオーバー…【本間浩昭】