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陸揚庫、元島民の姿重ね 旧ソ連軍侵攻伝える「歴史の証人」 きょう北方領土の日 保存・活用の道探る

 7日は「北方領土の日」。1855年択捉島とウルップ島との間に日露の国境線を引くことを決めた日露通好条約が結ばれた日だ。ロシアによるウクライナ侵攻で平和条約交渉が一方的に中断されたばかりか、四島交流の合意が破棄され、元島民らによる古里訪問の機会もほぼ断たれる中、根室市の「根室国後間海底電信線陸揚(りくあげ)施設」(通称・陸揚庫)が注目を集めている。風雪にさらされる姿が古里に戻れない元島民に重なるという。

 「言語通ぜず 至急通訳派遣せられたし」(1945年8月31日、択捉島留別村長から根室支庁長宛ての電報)「現在においても国後島は北海道の一部なりや 上陸後 刻々不安の状態に入る 島民の引き揚げ 其の他に関し 御方針折返し返電あれ」(9月8日、国後島留夜別村長から根室支庁長宛ての電報)—など。根室国後間海底電信線陸揚施設は少なくとも14通(択捉島から2通、国後島から12通)の電報を受けた78年前の旧ソ連軍侵攻を伝える「歴史の証人」だ。(毎日新聞北海道版2023/2/7)