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黒部在住の北方領土元島民 研究者に体験語る

 北方領土の研究者四人と黒部市内の元島民の座談会が十三日、市コミュニティセンターであった。研究者は北海道博物館学芸員の右代啓視さん、NPO法人北の海の動物センター理事の本間浩昭さん、北海道羅臼町郷土資料館学芸員の天方博章さん、国後−根室間海底電信線陸揚庫保存会代表の久保浩昭さん。(中日新聞2023/1/14)

 四人は、十四日午後一時から同所で開かれる県北方領土史料室など主催のフォーラムへ出席するために来県。同市に歯舞群島などの元島民らが多いことから、生の声を聞くことにした。

 元島民の男性は春から秋にかけて島に渡り、コンブ漁をしていた当時の家族の暮らしなどを振り返った。女性は侵攻してきたソ連軍兵士に銃を突きつけられながらも、連れ去られそうになった母親に必死にすがりついた体験を語り、「いくつになっても怖くて涙を止められない」と述べた。

 右代さんは「皆さんの貴重な記憶は自分史などとして記録してほしい」と呼びかけた。フォーラムは参加無料。(松本芳孝)

北方領土の研究者(右列4人)に島の暮らしの記憶を語る元島民(左)ら=黒部市コミュニティセンターで