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日本が半年ぶりにロシア産の石油を購入 「サハリン2」から28日、タンカーが出発

日本が6カ月ぶりにロシアから石油を購入した。「サハリン2」から生産された石油を積んだタンカー「ザリブ・バイカル」が28日、日本に向けて出発した。「サハリン2」プロジェクトは、日本の液化天然ガス (LNG) 消費量の約 9% を占め、国内の発電量の 3% を供給している。「サハリン2」は、ロシアからの石油輸入の上限価格に関する決定の影響から一時的に除外されている。また、プーチン大統領は27日、制裁に参加する国を対象に原油の輸出を禁止する大統領令に署名した。(サハリン・メディア2022/12/29他)

日本政府、石油元売り大手にサハリン2の原油購入を打診=関係者

(ロイター2022/12/19)

 日本政府が、極東ロシアの石油・天然ガス開発事業「サハリン2」から原油を購入するよう主要石油元売り会社に打診していることが分かった。「サハリン2」での天然ガスの安定生産を続けるため、生産過程で産出される原油の買い手がつかなくなった場合に備えた対応という。

 「サハリン2」は、天然ガスの生産過程で原油や軽質油(コンデンセート)を産出。この副産物を混ぜた原油「サハリンブレンド」を販売しているが、複数の関係者によると、これらの輸出ができないと貯蔵タンクが満杯になり、天然ガスの生産に支障が出る。

 ある政府関係者によると、この原油は量も少なく、日本に必要なわけではないが、サハリン2のLNG(液化天然ガス)は日本にとって重要で、生産が止まらないように備える必要がある。

 主要7カ国(G7)は、12月5日からロシア産原油の取引価格に上限を設ける措置を発動したが、サハリン2の原油はその対象から除外されている。

 ロシアによるウクライナ侵略を受けてG7がロシア産原油の段階的な禁輸を決めたため、大手石油元売りは原油の購入を停止。6月以降実質的に止まっているロシアから日本への原油輸入が再開する可能性がある。一方、LNGは日本のエネルギー安定供給の観点からロシアからの購入を続けている。