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「陸揚庫」歴史的意義考える 根室市、4市町とシンポ

 終戦直後まで根室北方領土国後島を結んだ通信用海底ケーブルの中継施設「陸揚(りくあげ)庫」について、市は26日、同様の施設が残る道内外の4市町をオンラインで結んだシンポジウムを市内で開催した。(北海道新聞2022/11/27)

 陸揚庫の歴史的意義や利活用について議論し、理解を深めるために初めて開催。市民ら約50人が参加した。シンポジウムでは根室市稚内市宗谷管内利尻富士町長崎市沖縄県石垣市の担当者が発表した。

 沖縄考古学会の島袋綾野さんは、石垣市の「海底電線陸揚室跡」について、日本が台湾支配のために敷設した海底線の中継施設で、第2次世界大戦中に米軍の攻撃を受けた際の無数の弾痕が残されていると説明。「小学生や市民が参加する文化財巡りを開催し、実際に見てもらう活動を続けている」と話した。根室市歴史と自然の資料館の猪熊樹人学芸員は「根室では市民への取り組みは進んでいない。北方領土問題と絡めながら広めることが必要だと感じた」と述べた。(武藤里美)