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秋サケ漁、根室海区も上向き 「この調子で続いて」

 根室海峡沿岸の秋サケの漁獲が、盛期の10月に入ってから急速に伸びている。根室海区漁業調整委員会の10日時点の漁獲状況(速報値)によると、知床岬から納沙布岬までの「根室海区」7漁協の合計漁獲数は、前年同期比53%増の166万3477匹、漁獲量は同33%上回る4394トン。記録的不漁が続いている同海区の漁業者からは「この調子が続いてほしい」という声が挙がった。(北海道新聞根室版2022/10/17)

 根室海区北部(野付半島以北)の標津漁協(28カ統)の漁獲数は、10日までに前年同期比43%増の46万8884匹、漁獲量が24%増の1252トンだった。同漁協によると、17日も6万3千匹を水揚げ、累計で70万匹に達したといい、既に昨年の合計数を上回った。

 同漁協さけ定置漁業部会の皆川秀美部会長は「10月に入ってから上向いてきた。9月までは厳しい状況が続いていたので、全く予想はしていなかった」と喜ぶ。ただ、「羅臼寄りの網に漁獲が集中し、野付半島寄りはさっぱり。例年は厳しい沖合の網でとれているなど、今年は魚の動きが読めない」と漏らす。

 同海区南部の別海漁協(20カ統)の漁獲数は10日までに前年同期比2・3倍の12万7057匹。同漁協は「9月下旬に入ってから、数がまとまりはじめた」とする一方、「去年が悪すぎただけで、まだ両手をあげて喜べる状況ではない。2・5キロ以下の魚も多く、大型魚が少ないのが気になる」と話した。

 「えりも以東海区」に含まれる根室市内太平洋側は11万5709匹(同21%減)の306トンだった。漁期は11月下旬まで。(小野田伝治郎)

標津漁港で秋サケを選別する漁業者