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「逆に遠さ感じた」洋上慰霊・歯舞コース最終便 元島民ら思いさまざま

 北方領土に眠る親族の霊を船上から慰める洋上慰霊が29日、根室港発着で行われた。歯舞コースの最終便は、事前のチェックで元島民らに新型コロナウイルス陽性者が確認されたことから、濃厚接触者と合わせて5人が参加を断念。元島民2人と後継者8人を含む21人が参加した。納沙布岬近くでの洋上慰霊では、主催者の千島連盟理事で、別海町在住の臼田誠治さん(82)=志発島=が追悼の言葉で、北方の島々に眠る親族の御霊を慰めた。(釧路新聞2022/7/30)

 この日は水晶島秋勇留島が見えたものの、直木賞作家の佐々木譲さん(72)=択捉島2世、東京都=は、佐々木さん原作でドラマ化された番組タイトル「エトロフ遥かなり」になぞらえ、領土はすぐそこだったが、逆に(択捉島までの)遠さを感じた。(ソ連首脳の)ゴルバチョフエリツィン時代には島問題が解決する期待があったが、今は難しいとつくづく感じる」と話した。(山本繁寿)