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姿消したロシア産サケ

北海道新聞根室支局に勤務していた丸山記者の記事です。

 室蘭で単身赴任をはじめた昨夏から、節約や健康面を考えて弁当生活を続けている。献立を考えるのが面倒なので、おかずはほぼ毎日のように卵焼きと焼きザケだ。

 そんな弁当づくりに最近、変化があった。30代のころ、根室支局でサケ・マス漁の取材をしてから、若干だがサケにこだわりを持つようになり、弁当には冷めてもうまい塩ベニザケを選んでいる。手ごろなロシア産を好んで購入していたが、ロシアのウクライナ侵攻以降、スーパーの店頭から姿を消し、アメリカ産などに取って代わられた。

 鮮魚店によると、サケの流通は、国際情勢に絡みたびたび影響を受けてきた。最近では、ロシアが2015年、200カイリ水域内での日本漁船によるサケ・マス流し網漁を禁止した結果、塩ベニザケやトキシラズなどの流通量が減少。現在は、手ごろな輸入銀ザケなどが店頭で幅をきかせているという。

 水産庁は6月、ロシア流し網漁の代替え漁法としてきた引き網漁の試験操業見送りを決め、サケ・マス漁の復活は遠のいた。これまで庶民の味方だったサケ、それだけに食卓への影響が心配される。(北海道新聞室蘭胆振2022/7/17 丸山格史)