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「えとぴりか」根室入港 23日から北方領土洋上慰霊 コロナ対策済ます

 北方領土問題対策協会(北対協、東京)は16日、今月23日から始まる北方領土元島民らの洋上慰霊で使うチャーター船「えとぴりか」(1124トン)を根室港で報道陣に公開した。食堂には仕切り板を設置したほか、病床数を拡充するなど新型コロナウイルス対策の改修工事を実施。改修後、えとぴりかが根室に寄港するのは初めて。(北海道新聞釧路根室版2022/7/17)

 えとぴりかは2012年度から北方領土へのビザなし渡航で用いられており、21年3月に新型コロナ対策の改修工事を終えた。

 改修では、乗客が集まる食堂兼集会室に飛沫(ひまつ)防止用にポリカーボネート製の仕切り板を設置した。換気をよくするため室内の6カ所の窓を開閉できるようにした。

 乗客用の病室は1床から2床に増やし、医療用酸素ボンベを設置できるようにした。体調不良を訴える人が増えた場合のため、客室1室は可動式の壁で隔離室に替えられるようにした。いずれも他の部屋に空気が漏れないよう、陰圧の状態になる。備品の購入費も含めた改修の総事業費は1億3100万円。

 えとぴりかの沢口巨樹(なおき)船長は「3年ぶりに根室に戻ることができた。洋上慰霊で少しでも元島民の皆さんのお役に立ちたいと思います」とあいさつした。(武藤里美)