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サハリン州議会 投資目的漁獲割当第2弾設定阻止へ 上院議長に要請行動決議

 サハリン州議会経済発展委員会は、投資目的漁獲割当第2弾の設定を阻止するため、ロシア上院議長ワレンチナ・マトヴィエンコに要請行動をとることを満場一致で決議した。ロシア農業省は、新たな漁獲割当として、“投資クオータ”第2弾、カニ漁獲割当オークション第2弾、そして投資を目的とする市場価値の高い魚種のオークションを設定する方針を示している。この設定のための法案では、“投資クオータ”の第2弾で、スケトウダラ、ニシンのTACの20%以内で、漁船建造と水産加工場建設に、利用目的に応じ漁獲割当が配分される。また、漁船建造等、投資義務が伴うカニの漁獲割当オークション第2弾として、TACの更に50%部分が対象となり、第1弾の50%を合わせると、対象資源のTACの計100%がオークションで配分される。更にホタテ、ツブ、ナマコ、ウニ等、市場価値の高い資源の採捕割当が100%オークションで配分される方針が示されており、この投資プロジェクトとして冷凍・冷蔵船の建造と北極海航路の活用が盛り込まれている。

 関係機関は法案可決に向け活発に行動しており、サハリン州は早ければ今年2022年秋の国会で採択される可能性があると危惧している。投資義務が伴うカニの漁獲割当オークションの第1弾において、サハリン州企業は、当該資源の既に50%の漁獲割当をはく奪されている。更に、沿岸魚種を含めた投資目的の漁獲割当が設定された時、40社以上のサハリン州企業が経営破綻に追い込まれると見積もられている。 (ロシア漁業ニュースヘッドライン2022/7/5)