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日ロ関係は戦後最悪 ポロナイスクと北見の姉妹都市提携50周年は祝われない

今年、北海道の北見市サハリン州のポロナイスク市(敷香=しすか)は、姉妹都市提携50周年を迎えた。1972年8月13日、「ポロナイスク(ソ連、サハリン)と北見(北海道)の都市間の友好関係の発展について」が署名された。以来、何十年もの間、両市は毎年、文化、スポーツ、若者の代表団を送り、交流を続けて来た。しかし、2019年後半から2022年初頭にかけて、コロナウイルスパンデミックにより、両市の交流は2年間で事実上ストップした。パンデミックが鎮静化してきた2022年には希望があった。記念イベントは2022年7月中旬に予定されていたが、世界の政治情勢と、第二次世界大戦終結以来、おそらく最悪のレベルにあるロシアと日本の緊迫した関係によって、これらの計画はキャンセルされただけでなく、姉妹都市関係も中断した。両市の住民がどれだけのものを失ったかを言うのは難しい。ポロナイスクは日本人にとって興味深い場所だ。日本の偉大な横綱大鵬」(1940-2013)は、日本人女性とウクライナ人の夫との間にここで生まれた。市内には大鵬の記念碑が設置されている。サハリンは日本の人々にとって魅力的である。サハリンの住民にとっては、岬から岬まで直線でわずか43キロの隣国を自由に訪れる機会を失った。姉妹都市の関係は、政治を抜きに、秘密の意図や陰謀もなく、普通の人々が敵意を持たず、友人となり協力するという人類の永遠の願望を実現する、市民レベルの外交である。ポロナイスクに加えて、ユジノサハリンスク旭川、函館、稚内)、コルサコフ稚内紋別)、ネヴェリスク(稚内)、ドリンスク(名寄)、セベロクリリスク(根室)、トマリ(天塩)、ホルムスク(釧路)、オゼルスコエ村(猿払村)なども姉妹都市提携を行っている。ちなみに、北見には海外の姉妹都市は4つあるが、ポロナイスクには北見1つしかない。そして今、姉妹としてのコミュニケーションを奪われている。(サハリン・インフォ2022/7/4)