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政府、対ロシア経済協力を凍結 インフラ戦略改定、記述削除

 政府は3日、日本企業による海外インフラ案件の受注拡大策を話し合う「経協インフラ戦略会議」を首相官邸で開き、昨年6月に決めた「海外展開戦略」を改定した。ロシアのウクライナ侵攻を受け、新たな戦略では対ロ経済協力の推進計画に関する記述を全面削除した。経済協力の凍結を明確にし、ロシアへの強硬姿勢を改めて示した。(北海道新聞2022/6/3)

 削除したのは、2016年5月の日ロ首脳会談で安倍晋三首相(当時)が提示した経済協力プランに関する記述だ。

 プランは8項目で構成され、極東での空港や港湾整備、石油やガスといったエネルギー開発などの協力に加え、「ロシア国民の健康寿命伸長に役立つ協力」「大学や観光などの人的交流拡大」なども盛り込まれた。日本政府には北方領土問題の解決に向けた環境醸成を図る狙いがあった。

 昨年の戦略には、ロシアで「都市環境、運輸、医療、エネルギーなどの分野で協力が進められている」と明記。特にエネルギー分野では「石油、天然ガス、石炭供給のポテンシャルも高い」「供給源の多角化を進める上でも重要」とロシアを評価していた。今回の戦略では全て削除された。

 経済産業省によると、ロシアによる侵攻を受けて経済協力は既に凍結している。