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ロシア産カニ 米国が6月下旬から輸入禁止 業界「カニ漁全体の一時停止の可能性も」

ロシアに対する経済制裁の一環として米国は6月23日からカニの輸入を禁止する。米国とEUカニの全輸出量の48%を占めている。米国に輸出されてきたのは冷凍ガニであり、生きたカニを求めるアジアにすべてを振り向けるのは技術的に難しい。加えて、ロシア国内に流通させようとすると、米国やEUとは異なり、ロシアでは天然の無害なヒ素を化学ヒ素から分離せず、製品中の含有量を非常に少量に制限していることから、困難だという。ロシアにおけるカニの漁獲量は2021年に9万6,000トン、今年1月から5月まで3万1,500トンだが、現在、生産者は漁獲量の大部分を倉庫に保管することを余儀なくされている。しかし、これにも限界がある。スケソウダラ漁は終漁したが、中国のいくつかの港が依然として新型コロナ対策で厳しい輸入制限をしているため、行き場を失った製品が大量に保管されている。さらに6月から始まるサケ定置網漁のために冷蔵庫が必要になる。こうした中、カニの生産者からは、一時的にカニ漁業全体を停止する以外に方法はないという声も出ている。カニに限らず輸出型産業の典型と言われるロシア漁業。西側からの制裁で年間40億ドル以上を失う可能性が指摘されている。(コメルサント2022/5/30)