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泊墓地、ひっそりと 360度パノラマ写真でみる国後島③泊

終戦時、国後島・泊市街地には約100世帯480人が住んでいた。泊川を挟んで両岸に街並が広がっていた。1947年10月15日のソ連最高会議幹部会議長令により、ロシアの航海士であるヴァシーリー・ゴロフニン提督の名前をとってゴロブニノと改名された。1811年に起きた、あの「ゴローニン事件」のゴロフニンである。現在の集落は左岸にあり、人口は150人ほどだという。集落の北東部に日本人墓地がある。2021年11月に投稿された360度パノラマ写真を拡大してみると、墓石と標柱がひっそり建つ泊墓地が写っていた。泊墓地は600柱が埋葬されている北方四島で最大の墓地だが、1990年の北方墓参の際に墓石2基を「発見」したことから、その場所を墓地と特定して標柱を建てた。日本人が強制的に送還された後、墓石などは意図的に取り除かれたという。これまで北方墓参と自由訪問を合わせて13回訪問しているが、2016年以降はロシア側が立ち入りを制限している。(日ロ首脳の合意に基づき2019年に行われた航空機を使用した「特別墓参」を除く)

建設中の建物は幼稚園を併設した中等学校

ケラムイ崎を望む。その先は根室

北に泊山を望む