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北方領土の空路墓参拒否か ロシア外務省

 ロシア外務省は20日、ビザなし渡航の枠組みで行ってきた元島民らの北方領土墓参を維持する一方、安倍晋三政権下で合意した航空機を使った墓参や出入域地点の増設については認めない考えを示唆した。ノズドレフ・アジア第3局長に対する共同通信社の書面インタビューを同日、ホームページで公開した。(北海道新聞2022/5/21)

 ロシア外務省は3月、ウクライナ侵攻に対して制裁を発動した日本政府への対抗措置として、元島民らが北方四島を訪れるビザなし交流と自由訪問を停止する方針を発表している。

 これに関連して、ノズドレフ氏は「人道的見地から1986年の政府間合意に基づく訪問の形式は維持されている」と述べ、墓参については停止していないとの認識を示した。

 ただ、墓参を再開した場合でも「他の2国間合意により導入された特典や手続きの簡略化は適用されない」と説明。墓参を巡っては、安倍氏が2016年12月のプーチン大統領との会談で拡充に合意し、従来のチャーター船ではなく空路による墓参や、北方四島への出入域手続きを行う地点が国後島沖だけでなく歯舞群島沖でも実現した。これらについて今後、認めない考えを示したとみられる。

 既に停止を発表している日本との平和条約締結交渉については「公然と非友好的態度でわが国に直接脅威を与える国と、この種の文書の協議ができなくなったのは明らかだ」と主張。再開の可能性について明言を避けた。(渡辺玲男)