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択捉島 ボランティア医師団が5日間で1,500人診察、479の病気を特定

択捉島で無料診療を行ったボランティア医師団がクリル地区行政府を訪れ、ロコトフ市長とベラウーソワ地区議会議長に診療活動の結果を報告した。地元の水産・建設企業ギドロストロイ社などの支援で2007年から始まり今回が23回目となる。医師14人が5日間にわたり診察を受け付けた結果、住民1,500人が訪れ、479の病気を特定した。医師のオルガ・ソスネンコさんは、島の若者たちの健康状態を心配した。「8年前、択後島に最初に来たときから多くの変化があった。医療環境は発展し、街はより美しく魅力的になった。しかし、択捉島の子供たちの健康については、全くバラ色とは言えない。文明は島にやって来たが、人々は健康に害を与えることなくその利点を利用することを学ばなかった。その結果、神経系と筋骨格系の両方に影響を及ぼしている」--。問題点として子供の健康に対する親の態度を指摘した。「択後島では、多くの子供たちが太りすぎだ。同時に、地域にはプールやテニスコートなどスポーツ施設が存在するのに、子供たちは無視している。親たちは子供が虚弱になっていると気づいている。子供たちは、親の真似する。両親が喫煙し、ジムに行かないとすれば子供も同じことをするだろう」と医者は言った。もう1つのトピックは住民の心理的な健康の問題。サンクトペテルブルク神経内科医エレナ・ピスカレワ-ヴァシリエワさんは、島の暮らしは心理的ストレスのレベルが非常に高いという。「心理療法的支援のアクセシビリティを高めたいが、私が話をした人の多くは、心理療法士に会いに行く準備ができていない。小さい島なので、誰もがお互いを知っている。心理療法士がいたとしても、人目があるので行かないという。この状況では、リモート診療の仕組みを整備するのが良いと思う」と述べた。(サハリン・インフォ2022/5/19)