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色丹島 市長が住民と懇談 財源不足の影響で住宅整備不透明 滑走路は2024年から2025年か

国後島色丹島歯舞群島を管轄する南クリル地区のパベル・ゴミレフスキー市長と行政府の幹部職員が色丹島を訪問し、住民懇談会を開催した。市長のほかデニス・カン副市長、アレシア・スカレポワ総務部長、アクシニャ・フィカティ―ナ建設部長、市有財産管理部門や燃料・エネルギー・住宅共同サービス部門の専門家が来島。住民との懇談会に先立ち、個別相談会も開催され、住民31人が訪れた。懇談会では、住民からマロクリリスコエ(斜古丹)に建設が計画されているフェリーターミナルについて質問が出た。サハリンとの定期フェリーは桟橋に停泊するが、ターミナル施設がないため、乗船を待つ色丹島住民は悪天候でも野外で待たなければならない。行政府側はターミナルの建設場所について「オストロブノイ水産加工場の敷地内に整備される予定」と説明したが、建設時期には触れなかった。また、住宅建設について、クラボザボツコエ(穴澗)に5棟のアパートを建設し、着工は5月~6月と見通しを明らかにした。さらに、色丹島--国後島間の海上旅客輸送問題も取り上げられ、住民の1人は「国後島に午前10時に着くようスケジュールを変更してくれれば、ユジノクリリスク(古釜布)の役所で用事を済ませ、その日のうちに色丹島に戻って来ることができる。メンデレーエフ空港からサハリン行の飛行機にも間に合う」と運航スケジュールの変更を要望。市長は海上輸送を担う公営企業「ドーケル」と新しいスケジュールについて調整すると約束した。住民はまた、ロシア各地から夏に色丹島を訪れる観光客のマナーについて「彼らは景勝地を訪れ、ゴミを残していく」と不平を言った。これに対し、市長は出席した住民に「まず自分たちから取り組みを始めてほしい」と訴えた。市長はまた、家庭ごみの処理について、各家庭で事前に分別し、再利用可能なゴミは地区外に搬出する方法に変わると語った。マロクリリスコエ(斜古丹)の住民は、アイススケートとアイスホッケー用のリンクを要望したが、財源の確保が問題と説明した。色丹島に小型旅客機用の滑走路を建設する問題について、行政府はプロジェクトは継続しており、2024年の終わりから2025年の初めに供用開始を見込んでいるとした。マロクリリスコエの広場は今年末に整備が終了するが、周辺の整備は予算不足のため手を付けられないという。公衆浴場の修理は2023年に予定。マロクリリスコエの住宅建設については、2か所(93戸と24戸)で計画があるが、クリル諸島社会経済発展プログラムの資金が確保されるかどうかにかかっているとした。(kurilnews.ru2022/4/18)