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漁業は制裁による変化に対応する準備が出来ている--サハリンの漁業水産企業

サハリン州の漁業水産企業協会のマキシム・コズロフ会長は「我々は新型コロナの試練に耐える漁業の能力をすでに示しており、今回の人為的に課せられた新しい障害(制裁)にあっても、州の漁業活動の安定性を損なうことはない」と述べた。現在、州内には788の漁業水産企業が活動し、このうち70は養魚場で昨年62万3,000トンの魚介類を生産した。州では一度に14万5,000トン以上の製品を保管する能力がある。輸送、流通が変更されても、製品の保管には問題ない。さらに、高度に加工された魚製品を生産するための投資も実施されている。色丹島では、ロシアで初めてすり身を使用したカニカマの生産を開始した。このプラントは1日最大1,000トンの製品を生産できる。今後、同様のプラントを5つ建設するが、その1つは2021年末に択捉島で着工している。2022年初めには、国後島でフィッシュミール工場が稼働した。魚油・魚粉など8,000トン以上を生産する。魚粉はペットや養魚用の飼料として使用される。同工場のコンスタンチン・コロブコフ代表は「家畜や養魚場の飼料として我々の製品サンプルを品質検査機関で調査したところ、最高の評価を得ている」と述べた。サハリン州のサケ養魚場協会のキリル・プロスクリャコフ会長は「VNIROが開発した配合飼料は、品質と特性において輸入品を上回っている」と話した。また、水産加工場には外国製のプラントが導入されており、設備や部品の交換が必要になるが、輸入部品が手に入らない場合は、他の方法を用いて対応する。(サハリン・クリル通信2022/3/25)

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国後島・古釜布のフィッシュミール工場