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困難のなかで着実に発展する択捉島の農業

択捉島の主な産業は漁業だが、農業も発展してきている。2021年7月からクリル地区行政府の経済部門の責任者を務めているドミトリー・エロフィーエフが、昨年の農業概況について報告した。2021年に、家畜を飼育する5つの農民農場と2つの作物栽培農民農場、114の個人農場が運営され、ジャガイモ120トン、野菜1.5トンが生産された。問題は新しい貯蔵倉庫を建設する土地の確保だという。2022年、島内の農業企業「自然の味覚」は98ヘクタールの農地を開発する。将来的にジャガイモ150トンの収穫とキャベツの収穫増が期待されている。同社は昨年、トマト1.4トン、キュウリ2トン、野菜0.6トン、キャベツ25トンを収穫している。今年は温室の現在の2倍の広さに拡大する予定だ。さらに、年末までに乳牛20頭を飼育する。このため行政は290トンの飼料を確保したが、例によって輸送の問題があり、ウラジオストクからの納入が2カ月遅れた。農業を安定させるためには、輸送の問題を解決する必要がある。島内での酪農家の1人が島を離れることになり、後継者をいかにサポートするかも課題。2021年、択捉島では394の産直市が開催され、ゴリャチエ・クリュチ(瀬石温泉)に350㎡以上の面積を持つソーシャルストアがオープンした。2022年に、クリリスク(紗那)に同様の店舗が建設される。(サハリン・インフォ2022/3/12)

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