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ビザなし30年 コロナ禍で実施見通せず 人道的観点から「他の選択肢を探す必要」

今年はクリル諸島(※この場合は北方四島)と日本に住む住民によるビザなし交流30周年にあたる。ビザなし交流は政府間協定により、1992年にスタートし、緊迫した両国関係のある種の安全弁として、さらには両国住民の文化的、人道的関係の深化に貢献した。しかし、この公的な外交措置は新型コロナウイルスの感染拡大により、2年間実施されていない。ビザなし交流の再開の見通しについては、誰もはっきり言うことが出来ない。クリル諸島南部のロシア人住民は、新型コロナウイルスの変異株が今年のビザなし交流の実施を妨げないことを期待することしかできない。しかし、クリル諸島の元島民である日本の高齢者にとっては、希望は少しずつ失われている。日本人元島民の平均年齢は86歳を超えている。ここ数年、彼らは検疫措置のため、彼らの先祖のお墓を訪問することが出来ないでいる。死者に敬意を表するため、他の選択肢を探す必要がある。昨年は、クリル諸島を望みながら船に乗り、洋上で慰霊祭が行われた。(サハリン・インフォ2022/2/7)

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