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トルトネフ副首相 「投資クオータ」導入で水産加工場建設、漁船建造 北方四島含むクリール諸島で

 ロシア副首相兼極東連邦管区大統領全権代表トルトネフは、出張中のサハリン州で、クリール諸島(千島列島)に免税区域を導入する連邦法改正案に関する会合に出席して、同法案とは別枠で“投資クオータ”第2弾が運用され、水産加工場建設や漁船建造が行われることになり、さらにクリール諸島の発展に貢献することになると発言し、この取り扱いについては、先にロシア漁業庁とも話し合いを行っていると加えた。(ロシア漁業ニュースヘッドライン2022/1/28)

 北方領土も対象とする免税法案は前例のない優遇措置と評され、法人税、不動産税、輸送税なども登録から最大20年間免除、制度を2046年まで継続し、当該期間中の保険料率の低減も実施すること、また、クリール諸島における税関手続きの無料化、付加価値税の免除の可能性も盛り込まれていることが明らかになっており、既に2022年1月18日、ロシア下院第1読会を通過している。

 一方、ロシア農業省は、2021年11月、法案の影響評価を受けるため、水棲生物資源の漁獲割当手続きの改善を目的とする”水棲生物資源保護に関する連邦法の改正案“を明らかにしている。

 法案では、新たな漁獲割当として、“投資クオータ”第2弾、カニ漁獲割当オークション第2弾、そして投資目的の市場価値の高い魚種のオークションが設定されることになる。

 “投資クオータ”の第2弾では、スケトウダラ、ニシンのTACの20%以内で、漁船建造と水産加工場建設にそれぞれ10%ずつ、利用目的に応じ漁獲割当が配分される。

 また、投資義務が伴うカニの漁獲割当オークション第2弾として、TACの更に50%部分が対象となり、第1弾の50%を合わせると、対象資源のTACの計100%がオークションで配分される。

 これに加え、漁業インフラ整備等、投資プロジェクトの実施を義務付けし、ホタテ、ツブ、ナマコ、ウニ等、市場価値の高い資源の採捕割当が100%オークションで配分されることになる。

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