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ビザなし渡航30年 四島と根室「近所づきあい」で相互理解

 戦後77年を迎える2022年。相互理解の増進と北方領土問題解決に寄与することを目的に1992年(平成4)に始まった北方領土のビザなし渡航が30周年の節目を迎える。(釧路新聞元旦号2022/1/1)

 北方領土返還要求運動原点の地・根室市は四島交流のさらなる深化を目指し、「北方領土対策に関する専門家会議」を設置した。「隣接地域にとっての四島交流の在り方」や根室地域にある制約などについても研究し、四島と根室側が「近所づきあい」できる基盤をつくることが目的という。

 一方、民間レベルで近所づきあいを実践している団体がある。北方領土とのビザなし渡航事業の玄関口・根室港に雨の日も風の日も欠かすことなく四島交流、自由訪問、北方墓参のビザなし3事業の送迎に姿を見せる「ビザなしサポーターズたんぽぽ」(本田幹子代表)だ。2006年に四島交流事業参加者で設立した市民有志のグループで、根室市が目指す北方四島との「近所づきあい」を実践している。

 代表の本田さんがビザなしに関わったのは、ロシア人島民を受け入れていた母親を手伝ったのが始まりだった。「長く交流を続ける中でロシア人に対するイメージが変わり、相互理解の重要性を痛感するようになった」と振り返る。20、21年と交流が全面中止となったが「四島にたくさん友達もでき、早く交流を再開してさらに理解を深めたい。その重要性をほかの根室市民、日本国民にも分かってもらえるよう活動をしていきたい」と節目の年に決意を新たにしている。(山本繁寿)

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