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択捉島に電気自動車 充電スタンドも整備 ロコトフ市長が島の1年を振り返る

択捉島を管轄するクリル地区のロコトフ市長がこの1年を振り返った。一番に挙げた成果は、新しい住宅を建設し、老朽化した危険な住宅からの住み替えを促進したこと。「最も重要なことは、広くて暖かいアパートで過ごすことだ。島に長く住んでいる人は特に満足している。以前の老朽化した家には風呂もなかったが、今は窓の外には素晴らしい眺めがある」--。

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2つ目の楽しい出来事は、アスファルト舗装。1kmごとに島が近代化している。整備が進むオホーツク海側と軍が駐屯する太平洋側を結ぶ幹線道路の再建工事が進む。すでに高速インターネットは接続されているが、クリリスク(紗那)—ブレベスニク(天寧)間のアスファルト道路はまだだ。「待望の光ファイバーによるインターネットが集落にやって来た。もう、携帯電話の電波をキャッチしようと空にかざす必要はない」。

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レイドヴォ(別飛)では、ギドロストロイのおかげで136人の児童・生徒が学ぶ学校が完成した。クリリスクにも400人収容の新しい学校の計画が進んでいる。次のトピックはガス化だ。市長は「それは古いレンガのような携帯電話と新しく薄いiPhoneのようなもの。ガス化により島は飛躍的に発展することが期待される」と話した。さらに免税特区の創設により、新しい企業が島の開発に参入することにも大きな期待を寄せている。

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また、島では初めてとなる電気自動車の充電設備がお目見えし、数台の電気自動車が島を走っている。市長は「ガソリンの供給はタンカーにより、月に1度程度補給が行われるが天候次第で、常に輸送の問題を抱えている」と述べた。観光客の増加も朗報だ。ロシア全土から択捉島に観光客が訪れたが、メインはサハリンの住民だ。ただ、観光客の予約によって、地元住民が飛行機のチケットが購入できない問題が顕在化した。質の良いホテルの不足も大きな課題だ。さらに観光を振興するには、国境地帯を通過するパスの発行を簡素化することも重要だ。新型コロナのパンデミックで多くの善良な住民をなくしたことは悲しい出来事として記憶される。クリスマスツリーのオープンや新年のコンサートなどのイベントはキャンセルすることになった。(サハリン・インフォ2021/12/29)