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国後島周辺のホッケ臨検、過去最多延べ100隻「続くと商売にならない」

 【羅臼北方領土国後島周辺海域で、羅臼漁協(根室管内羅臼町)所属のホッケ刺し網漁船13隻が行ってきた今季の安全操業が25日で終了した。ロシア国境警備局が船内に乗り込み、書類点検などを行う「臨検」は延べ100隻が受け、過去最多となった。(北海道新聞2021/12/25)

 同漁協によると、1回の臨検で3~5隻が操業を中断し、操業日誌や漁獲した魚などの点検を受けた。昨季は臨検のため羅臼漁港での競りに遅れる船が相次いだが、今季は午後1時までの競りに間に合わなかったのは10月2日(7隻)のみだった。

 今季は国後島海域での操業を10月1日に開始。序盤1カ月ほどで切り上げた船もあり、60代の男性漁師は「臨検が多く、日ロ中間ライン手前の操業に切り替えた。何度も続くと商売にならない」と話した。

 安全操業は、日ロ両政府の合意に基づき1998年から実施。北方四島の主権に触れない形でロシア側に資源保護協力費などを払っている。ホッケの臨検は2016年は6隻、17年は9隻で、18年61隻、19年30隻、20年98隻と増加している。(田中華蓮)

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※資料写真