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ビザなし再開を望む声 根室千島連盟の慰霊祭で元島民

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 来年こそ島に行きたい―。根室市納沙布岬で17日に開かれた北方領土物故者慰霊祭には根室市内の元島民らが出席し、故郷に向かって手を合わせるとともに、ビザなし渡航の再開を強く望んだ。(北海道新聞釧路根室版2021/10/18)

 千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟)根室支部主催の式典は市北方領土資料館で行われ、元島民や2、3世、根室市の石垣雅敏市長、千島連盟の脇紀美夫理事長ら計72人が参加した。

 歯舞群島多楽島出身の水島与宗治(よそじ)さん(89)は「元島民も減り、集まれる機会が限られてきた。3、4世に領土返還を引き継いでもらうためにもこういう慰霊祭は大事だ」と強調した。

 慰霊祭の意義を認めつつ、多くの参加者が求めるのが、新型コロナウイルスの影響で2年連続中止となったビザなし渡航の再開だ。

 父親が多楽島出身の高岡正さん(79)は「叔父が島で亡くなった。『元気でやっているよ。来年こそは島に行くからね』と手を合わせた」。多楽島元島民2世の箭浪(やなみ)春一さん(68)も「父の住んでいた島に行きたい」と願った。

 歯舞群島志発島出身の南保(なんぽ)直光さん(82)は「最後に島に行ってから10年くらいたつ。もう一度島に行きたい。年齢的に厳しいかもしれないが…」と話した。(川口大地、武藤里美)

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