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国後島・古釜布にフィッシュミール工場施設が竣工する

 日本よりロシアは漁業生産量でわずかにリードしているものの、フィッシュミールの生産量は日本(20万トン弱)が圧倒的に多く、これは、設備投資が求められる残滓利用が進んでいないロシアの状況を表すものとなっている。

 ロシアは、資源に対する漁業製品歩留まりの向上、出現した極東海域のイワシ資源の利用、残滓の不法投棄問題の解決等を目的に、中国の水産養殖向け飼料市場ほか、世界的に需要が高まっている当該製品の生産拡大を、“2030年までの漁業発展戦略”に盛り込んでいる。

 かかる状況下、今般、国後島ユジノクリリスク(古釜布)の”ユジノクリリスキー・ルイブコンビナート”(Южно-Курильский рыбокомбинат)が、フィッシュミール工場施設の竣工を発表した。

 技術機器の調整、テストも完了し、操業開始は今年2021年11月上旬を計画している。このプロジェクトは、国家プログラム“2016年-2025年のサハリン州クリール列島の社会経済の発展”の枠組みの中で行われている。

 同コンビナートでは年間5,000トンのフィッシュミールと最大3,000トンのオイルの生産を計画している。これらの製品は、水産養殖、農業、畜産の飼料原料として、国内外で強い需要が確認されている。

 竣工にあたりサハリン州知事リマレンコは、廃棄処分されていた水産加工の残滓が利用されること、また、新たな雇用を創出することを評価するとコメントしており、地元自治体の税収の増加も期待されている。(ロシア漁業ニュースヘッドライン2021/10/7)

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